傷: 慶次郎縁側日記
傷: 慶次郎縁側日記 / 感想・レビュー
真理そら
再読。以前読んだ時と同じ引っかかりを感じながら読んだ。このシリーズは読みやすいのだがどうしても設定に違和感を感じる。すべての短編は片付かない感じで(余韻を残す形で)終わるのが特徴で、人は思いがけない躓きがあっても生きていかなくてはならない、それを分かっていても過去の傷は現在の自分に影響を及ぼすというような人生の哀歓を描くのがうまい作家だと思う。それなのに慶次郎の家族にはそういう雰囲気がない。娘の位牌の居場所がないから寮番をしているはずの慶次郎と養子夫婦の関係、養子夫婦間の関係が置き去りにされている気がする
2020/04/02
みかりん
図書館本。宮部みゆきさん時代物が大好きな私は とっても面白く読みました。ついついお節介をして 事件を未然に防ぐ慶次郎。娘を亡くす話がとっても辛いですが あとはサクサク読めます。続編が沢山あったので どんどん読みます。
2018/05/08
A.Sakurai
「慶次郎縁側日記」シリーズ第一冊目だが,初期作は江戸世間モノの単発作品だったらしい.なので主人公といっても普通の市井の一人として扱っているようだ.同心のくせに復讐に走るわ,人妻のハニトラに引っかかるわ,ダメ男ぶりが目につく.主人公に限らず掲載作はどれも人々のダメぶりが描かれ,問題は解決されないケースが多い.エンタメというより,そうならざるを得ない心情を主題としている文学寄りの作風なのだろう.
2023/03/07
Kira
図書館本。第一集。文庫版既読。何度めかの再読だが、単行本で読んだのは初めて。読み返すたびに新しい発見がある。今回も、大根河岸の吉次は最初からやさしい男だったのだと気づいた。このシリーズは、ちょっと変わった捕物帳である。南町奉行所の元同心で隠居した森口慶次郎は、根岸で商家の寮番をしている。現役時代にとった異名「仏の慶次郎」は伝説になり、八丁堀との縁は切れず、慶次郎のもとに事件が舞い込んでくる。捕物出役もチャンバラもない代わりに、人情味あふれる裁きで罪人にさせないという慶次郎の思いが伝わってくる。
2020/02/20
RAKUSI
短編小説。再読のはずですが、はっきり覚えているのは最初の物語だけ、後は所々覚えているだけでした。嫁の皐月だけは、ドラマの女優さんのイメージ読んでいました。捕り物とは違う面白さ。このシリーズ、他の作品も読みます。そのうちに!
2017/09/19
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