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日本の家郷

日本の家郷

日本の家郷

作家
福田和也
出版社
新潮社
発売日
1993-02-01
ISBN
9784103909019
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日本の家郷 / 感想・レビュー

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fishdeleuze

福田和也初期の論文集。普段あまり読まない分野(国文学)についての論文集だったが、興味深く読んだ。「この虚無を彩っているおぞましさを己の内に認め、瘴気が登る溝の中を、夜と霧の間隙をついて進む批評を、文芸は必要としている。おぞましさを求め、抱き、受け入れる空無を持たないものは、また凝集への欲望と対面することもない。虚妄と滑稽、悪と汚辱の多彩な果実を試みたモダニズムの冒険において、批評はさらに酸鼻と破滅を突き抜け、文芸と思考の自由の深みを示す」とは、著者若き日の批評宣言ともとれる。

2015/06/06

ダイキ

全三章中、二章まで読んだ処で、『甘美な人生』で読んだような、広範かつ緻密な引用から導かれる鋭利な批評に心酔感服していたのが、一二章の内容を全的に受けた第三章を読み、その余りの物凄さに全て吹き飛んでしまった。日本とは「虚妄」であり、空無であるが故に、善悪の彼岸に在り、全てを包摂し、無限に拡充し、生成し得た。しかし、戦争が「現実」を延命し、「虚妄としての日本」は猛毒として「現実」に裁かれたのだという。福田和也という人の背負おうとしている宿命と業に身震いすると共に、「日本」を考える全ての人に一読してほしい一冊。

2019/07/17

メデスキ

読んでもまともに理解出来ないんだが(文学史的な潮流くらいしか解からん)、しかしソレっぽいフレーズはパクっていく所存。ex.近代小説は、出発もなければ、終点もなく、起承転結も意味もない彷徨を、そのまま「くらさ」として描く。

h1_tz

気合入ってる

2023/07/19

おサゲっち

再読。若書きの才気あふれる力強い筆致。どこにも踏み場のない日本近代の虚妄とそれでも歩み続けた先陣の足跡、この先の射程を見据えた文芸論文集。文芸こそ日本を日本たらしめている、そのことを示す日本論でもあるかもしれない。

2016/03/01

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