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魚のように

魚のように

魚のように

作家
中脇初枝
出版社
新潮社
発売日
1993-03-01
ISBN
9784103910015
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魚のように / 感想・レビュー

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むぎじる

清文が、嘘をついても嫌なことをしても、笑って許してくれる友達の君子。「心と言葉が一緒」である君子を大好きななのに、うらやましくてねたましい。相反する気持ちは、絶対的な良い子の限界を探っている。”絶対”なんてないと思っているから。反発ではなく寄り添うことができれば、きっと理解できただろう。心に檻を作ってしまった清文の気持ちが悲しい。

2013/09/21

ひらちゃん

17歳の時の作品との事でみずみずしい透明感がある。姉と弟である主人公。姉の家出に耐えきれず家を出て川を上流へ向かうが、終わりはあるのか?この後主人公はどうなったのだろう?

2015/08/15

ひみ

悪く言えば「何だかよくわかんない」良く言えば「繊細で瑞々しい」純文学は好んで読まない私の、正直な感想です。でも、「どちらが強い?」と問われれば、間違いなく後者。若干17歳で描きあげた作品と知り、これが才能なんだなぁとしみじみ。中脇初枝さん、奥が深いです。

2014/09/02

図書室のふくろう

第2回坊っちゃん文学賞受賞作。シンプルで美しい文章。姉が出奔した経緯を回想しながら、ひたすら川を遡って歩き続ける弟。自身の一部のように感じていた姉が突然いなくなった事でとった行動はよく理解できなかったが、まさにタイトルの「魚のように」瑞々しい文章は、いつまでも読み続けていたかった。

2020/07/18

ピピピのピ

唯唯若々しい。正直で善意の意地悪でもある“幸せ”な親友君子に感受性強すぎて揺さぶられる姉と、(姉の家出で)姉の想いと自身とをも支えられなくなり家出する弟。姉への回想と家出した弟の現在とで交錯しながら話が進みます。川や雨、行き交う町並み自然が姉弟の説明し難い感性と不器用な迷走とを補完するようで瑞々しい。敢えて語弊招く汚い表現すると、『文字による自慰行為』でもあり、それが未完の純文学でもあり、中脇さんの高校当時からの才能を凄く感じる一冊です。弟が“上流(起源)に向かう”のがミソ。私は、こういうの好きです。

2015/09/01

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