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神器 下: 軍艦「橿原」殺人事件

神器 下: 軍艦「橿原」殺人事件

神器 下: 軍艦「橿原」殺人事件

作家
奥泉光
出版社
新潮社
発売日
2009-01-01
ISBN
9784103912033
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神器 下: 軍艦「橿原」殺人事件 / 感想・レビュー

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ぐうぐう

太平洋戦争末期、あの頃の日本人が信じていたもの、例えばそれは「天皇」であったり、「大東亜共栄圏」であったりする。それは、あの頃の日本人にとって信じるに足る物語だったはずだ。奥泉光は、軍艦「橿原」にその物語を乗船させる。しかし、平成という未来と繋げることで、その物語を否定されたあの頃の日本人は、平成に続く未来の日本を、あるいは敗戦を認めた天皇を贋物と決め付ける。つまり、神器を乗せた「橿原」こそが真の日本なのだという理屈、もしくは倒錯。「俺たちが払った犠牲に、未来は応える義務がある!」(つづく)

2016/05/05

RIN

上巻の酩酊感がほろ酔い気分なら下巻は悪酔い。狂気に覆われる艦内に、現実と虚構がわけわからなくなっていく。まさに「石目、お前は誰なんだ?」。戦時小説を読むと、平成の現代日本がこの時代の日本の延長線上にある連続した、同じ日本だと時折信じられなくなる時があるが、これもそうだなあ。というか、そういう漠然とした違和感のようなものを小説にしたのがこの物語なのか・・・。普段世の中に感じているもやもやとしたものを、言葉にし物語に仕立て上げる手腕がすごい。奥泉氏、やはり恐るべし。

2011/12/10

ayame

殺人事件ーのサブタイトルなのだが、最後は殺人事件がどっかにいってしまった感。結局話についていけなかった。予備知識が必要なのか。最期は戦時下、しかも閉塞感の軍艦の中。異常な精神になっていくということか。それにネズミが増える光、時間移動…どう関係になってどうなったのか、わからないことだらけで終わった感。

2018/06/16

りゅっく

ようやく読み終わった、という感じではあるが読み終わってみると寂しい。ずっとこの世界にいたかった感じもしなくはない。結論的に言うと傑作である。本棚に追加します。タイトルも表紙も構成もロジックもキャラクターも文体もセリフも太文字も何もかもが必然であったような気さえする。奥泉氏、オタクなのか天才なのか???もう少しこの人の作品読んで知りたい(暫くはいい)。突き刺さる言葉もあったし、感想も多々あるのだけれど、語れば薄っぺらくなりそうでやめとく。一つだけ…この人なんだろう?と思った人は鼠の集合体だと思うことにする。

2020/06/04

藤枝梅安

読むのに時間が掛かった。いろいろなことが詰め込まれていて、収拾がつかなくなっちゃているような印象を受けた。「ヤスクニ」など、この国のあり方に関する記述については なるほど、と思わせる部分もあるが、文学作品としては魅力に欠ける。「この作品が理解できないのはお前のアタマが悪いからだ。」と言われているような気がする小説だ。ちなみに私は「頭が悪い」。鼠以下の存在だね、きっと。

2009/05/06

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