朦朧戦記
朦朧戦記 / 感想・レビュー
そうたそ
★★☆☆☆ ホームで無為な余生をおくる老人たち。そんな老人たちが退屈しのぎにおこなったホームでのクイズ大会が発端となり、やがて老人たちの行動もエスカレートしていき、やがてはかつての闘争本能も呼び起こされ暴走していくことになる。あらすじを読んで真っ先に思い浮かべたのは筒井康隆「銀齢の果て」。この作品も同様に老人バトルロワイヤルのようなものが描かれるのかと思いきや、どちらかというと老人たちが徒党を組むという感じだった。ハチャメチャながら平和な第一部から破天荒な第二部へ。個人的には「銀齢の果て」の方が好きかな。
2015/05/07
ち~
第一部では、ブループホームに入居する老人達が、クイズ大会に、海外旅行に、合コンにと、痛快でユーモアにあふれた非日常が楽しめました。一転、第二部では、ひまをもてあそぶ老人達が昔を懐かしんでリアルな戦争をしたり、都議選の立候補や、全共闘、義勇軍の立ち上げと、日本と年金制度を守るべく、とどまるところを知らない団塊世代の暴走を存分に見せつけられました。全体的に「しっちゃかめっちゃか」なぶっ飛んだ作品でした。
2015/05/09
さぁとなつ
笑いました。 クツクツと笑いました。 年寄をなめんなよ〜という叫びが聴こえるような。どうじゃ!と腰に手を当てて笑うお年寄りが見えるような。 Gメン(←ご存知の方は同年代!)のように、何人もの高齢者の女性男性が横並びになってグングンこちらに大股で歩いてくるような。 こちらからも、がんばってチョーダイ!とエールを送りたくなる。 そんな笑っちゃえる本でした。
2021/11/18
Kumiko
お久しぶりの清水さん。昔パスティーシュで沢山笑わせてもらいましたが、今回も同じ匂いのする小説。エスカレートしていく内容に若干引きながらもやっぱり爆笑を禁じえませんでした。グループホーム入居者である7人の老人達が織りなす、他人の迷惑や状況判断など完全無視の自由な生活。ご自身ももうすぐ70歳になられるというのに、清水さんは毒のある老人の描き方が本当に上手い!「盛ってるよね」とは思うんだけど、どこからが盛ってる部分なのか境界線がよく分からない。介護職の人に読んでみてもらいたい。
2016/03/16
あまりりす
楽しかった!第一部に出てくるお年寄りたちは、以前老健で働いていた叔母の話にも似たような事があったなぁとニヤリとしました。第二部は、これまた凄いですね!面白くて一気に読んでしまいました。全共闘が出てきちゃうなんて、(目次を読まずに読み始めている…(_ _;)想像もしていませんでした。後がないから無茶をする、ではないところが良かった!みなさんのレビューでは賛否あるようですが、私はとても楽しめました。ラスト一行、締めの言葉としてふさわしいですね。やっぱり清水先生の作品は面白いなぁ!とても楽しめました!
2016/06/17
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