小説以外
小説以外 / 感想・レビュー
アイシャ
恩田さんの豊富な読書量の中からお好きな本や影響を受けた本のエッセイが中心。ご自分の本の事にも触れておられるので、恩田さんの本を読んでいくうえでのガイドにもなる。恩田さんが読書からどれだけ幸福を得ているのかが分かる。そしてその量にも圧倒される。その他、お好きな漫画や映画、音楽の事にも触れておられる。恐怖への感度の高さがとても印象的。怖いこと、不思議なことがきっととてもお好きなので。『憂鬱な音楽』で大岡越前のテーマ曲が苦手というのが、感度の高さを裏付けている。私何も感じなかったなぁ。とても中身の濃いエッセイ集
2021/04/10
藤月はな(灯れ松明の火)
再読です。好きな作家さんのエッセーを読むとその人の辿ってきた道や好きなものが人生に与えた影響などがわかり、面白いです。恩田さんのお酒やおつまみ、本、漫画、お菓子など美味しそうで作ってみたくなりますし、書籍名をメモして読んでみたくもなります。物語を愛する者(読書家のこと。私は本馬鹿)としては「AND MUCH,MUCH MORE」は本好きの抱えるジレンマと業に思い当るところが多すぎて冷や汗ものでした。皆川博子さんが「薔薇密室」で「物語を必要としない者は幸せ」と言っていますが物語を愛する者は幸せで滑稽かもね。
2011/12/16
kanata
十代から恩田陸ファンと思い続けてきたのに、エッセイは初めて読む。彼女の認識ではこれはエッセイではなく「小説以外」。たんたんと進む。好きな作家の話の解説には力が入り、保険会社のOL時代の激務、専業作家になってからのこと。「作家より読者」であること。転勤族だったことが自身に及ぼした影響。面白おかしく書こうとしないところが逆に読みやすい。平成から令和にかけて旅先で読んだ本。
2019/05/03
chacha子
作家の中でも比類のない乱読家・恩田陸によるエッセイ。作家を生業とすると、他の作家による作品を素直に楽しめなくなるというが、彼女に至ってはそうでないらしい。SF・ロマンチックコメディ・ゴシックホラー・本格ミステリに純文学と、あらゆるジャンルの"面白さ"の根っこを捉えるのにもある種の才能がいるのだろう。紹介される本すべてを矢も盾もたまらず手に入れたくなるのは、紙面から溢れる読書への偏愛の気にあてられるためだ。
2015/06/14
爽
エッセイはその人自身と話しているような気持ちになれるから好きだな。作家さんは「語りのプロ」だからなんでもないような日常もおもしろく感じられる。恩田さんがたくさん自分の好きな本やら全集にするなら、なんて本を紹介していて、それが個人的に収穫。ミステリーやホラーはほとんど読まないけれど、誰かに見どころを教えてもらえると、「良いな」と思える本に出会えるから。身近に本の話やどうでもいいような話ができる人がいないので、恩田さんと世間話をしているような感覚だった。
2013/01/31
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