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猫と針

猫と針

猫と針

作家
恩田陸
出版社
新潮社
発売日
2008-02-01
ISBN
9784103971092
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猫と針 / 感想・レビュー

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MINA

著者と同じく考えるはタイトルの針の意味。最初は、こんな会話だけの劇を読むのは初めてだったから戸惑った。登場人物をよく脳裏に思い浮かべてかなり集中しながら読むことになった。サトウって唯一話題に上がってないなぁ。5人の緩衝剤みたいな役割?ヤマダとタカハシの二人シーンは希望により追加されたらしいけど、この二人のシーンで物語が締まってる/収まってると思った。良かった。結局フィルムを盗んだ人は誰だろう?ラスト、タカハシの独白で常にカメラを向ける生活してる人の因果が見えた気がした。キクチ君がすごく可哀想。

2014/02/10

kana

初戯曲に挑戦する恩田さんの奮闘振りの伝わる日記(あとがき)を含め、かなり楽しめる1冊に仕上がっています。小説でも会話劇のシーンはいつもぞぞぞっとくる不気味さが特徴的だと思っていたけれど、戯曲でも裏の裏をかくような巧妙で邪悪な魅力が垣間見える。恩田ファンの期待を裏切りません。私も何気ない日常の一コマを撮影してみたくなりました。恐いもの見たさ、、かな。

2010/06/13

紅香@本購入まであと9冊

高校時代の友人が殺害された。葬儀に参列した5人。丁度その日、喪服姿で映画の撮影に協力してほしいと友人で映画監督タカハシとの約束の日だった。信頼から不信感へ…一瞬にして変わる人間の暗くて深い闇に投げかけるセリフ回し。波紋が広がってジリジリとした心理作戦。迷宮に入る。あの意味があるような殺意がありそうでないような…もどかしい恐怖。少しずつ正確に積もる。時を待ち、くるりとひっくり返えされる。そんなことすら杞憂と何事もなかったように平然と流れる砂時計のような恩田ワールド。短くもシンプルな臨場感。スリリングな戯曲。

2013/11/08

pulpo8

恩田陸既刊ラストはこれ!「『猫と針』日記」に中南米行きの話が出てきて、メガロマニア読了済みでニヤリ。まぁどちらから先に読んでも結局はよかったとなるのだろうけど。実際に劇団で公演するために書かれた戯曲。中盤にかけてやっぱり盛り上がるなーそして最後は恩田陸だから私はOK!で多くの人はOKではない気もする…。まぁそれよりも光って刺さってハッとする言葉たち、これが散らばっているのが恩田陸であり、そこを読むだけで私は「あぁ読んでよかったな」となるのだから、好きなんだな~という他ない。さぁ新刊いつ来てもOKよ!

2018/05/19

フェリシティ

短い戯曲で、あっという間に読み終わりました。うーん、これぞ恩田作品、という感じ。恩田さんは、男女が何人か集まって語らう話がすごく上手い。現実と虚構の境目が分からなくなってしまう、不思議な雰囲気にどっぷり浸かれました。恩田さんと言えば、やはり「夜のピクニック」が有名ですが、他の作品も夜ピクのように爽やか青春小説だと期待して読んではハズレに終わります。夜ピクこそが、恩田作品の中でイレギュラーな話であって、本来の恩田作品は、不思議で閉鎖的な世界観、ノスタルジックな気分に浸れるのが売りなのだから。

2012/01/22

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