アカシアの花のさきだすころ―ACACIA―
アカシアの花のさきだすころ―ACACIA― / 感想・レビュー
ダグラスまま
覆面レスラーだった老人の独白「アカシアの花のさきだすころ」とてもよかった。母親に見捨てられた少年を育てながら、自分の自殺した息子を重ね合わせる。自分の前からいなくなった人は、神様のガラスケースに入れられて待ってる、っていう想像も面白いなぁと思った。老人団地での練習、盛り上がるギャラリー。このときの主人公の顔は微妙な表情の変化まで私の頭のなかにくっきり浮かんできた。辻仁成さんの作品は、ものすごく臨場感がある。主人公たちの気持ちが手に取るようにわかるし、隣でストーリーを実際にみているようだ。不思議だ。
2015/11/09
ひまわり*
読了整理 ★★★☆☆
調“本”薬局問悶堂
映画だけでは理解できなかったものを本で補えた。まったくこの通りに作った映画ではないみたいだけど。 映画で見た時にドウナンダコレと思っていたアントニオ猪木の演技も、本を読んだらちょっとしっくりきた。気がする。 仁成の語り口もあの嫌いな感じじゃなくってよかった。 1編は函館、もう1編が九州(たぶん福岡)が舞台。 思い入れのある1冊ななだろう。 どちらも“死”が大きく関わってくる物語。 1年の最後に。年越しにふさわしい1冊だった。 《2020年6月 登録》
2010/01/01
ひかぴか☆
辻仁成っぽくない文章だと感じましたが、内容は深いものでした。人はそれぞれいろいろな悲しみを抱えて生きている。目に見えていることだけでほかの人のことを判断してはいけないと思わされました。主人公にとってはタクロウが癒しの存在となったのだなぁ。「人生ってもんは、縦だけの歴史じゃねエ。横に広がりを持ってる。」このつながりを大切にしないと。
2010/01/27
いもぷ
辻さんの作品は自分的に当たり外れが別れるのだけど、これは当たり。心にしみる。
2015/01/24
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