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薬指の標本

薬指の標本

薬指の標本

作家
小川洋子
出版社
新潮社
発売日
1994-10-01
ISBN
9784104013012
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薬指の標本 / 感想・レビュー

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クリママ

表題作含む中編2編。サイダー工場の機械に挟まれ薬指の先を切断し、標本室に仕事を変わる。奥の使われていない浴場での標本技術士との不可思議な時間。技術室から出てこない少女が気になる。プレゼントされた靴は足と溶け合いそうだ。恋愛小説、か。それにしても、標本にすれば、思いは断ち切れるのだろうか。

2016/12/11

Die-Go

図書館本。初小川洋子作品。訪れる人を優しく包み込んでくれる標本屋と六角形の小屋。それぞれの静かな物語。★★★☆☆

2015/11/23

ブルームーン

表題作と「六角形の小部屋」の2編からなる短編集。表題作は何となく主人公の行く末が予想出来てしまうが、あえてそこまでは描かれていないのでちょっとモヤモヤ感が残る。「六角形の小部屋」も同じく着地点がいまいち分からずモヤッとする。文章は美しく、スラスラ読めるが私には理解しにくい世界観。

2014/07/27

UK

静かな静かな筆致なのに心が不穏にざわめいて仕方がない。表題作と「六角形の小部屋」の2編。いずれも淡々として平和、暖かそうでいてしんしんと不気味なお話である。距離を置いて眺めれば、いずれも無意味とも言える風景なのにあやしく琴線に触れてくる。小川洋子、あんまりこの靴を長く履いていると脱げなくなって危ないかもね。

2016/10/23

いちろく

紹介していただいた本。表題作は、標本室に勤務するわたし目線で綴られる日常。初出は今から30年ほど前であり、著者の初期作。思っていた以上に写実的な描かれ方だった。だからこそ、作品全体に漂う淡々とした静かな異質さがページを捲るたびにジワジワと読み手側へも取り込んでくるよう。読者である私もいざなわれたという表現が近いか?

2022/12/28

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