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まぶた

まぶた

まぶた

作家
小川洋子
出版社
新潮社
発売日
2001-03-01
ISBN
9784104013029
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まぶた / 感想・レビュー

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みも

20~30頁程度の8篇。初出は1993~2000年と幅広い。「少しの嘘」「尋常ならざる執着心」「他者との距離感」無機物を丹念に描いて、無機的な人間感情を浮き彫りにする。シチュエーションの特異性を容易に受容する、固有名詞を持たない人々。僕は喉元に刺さる小骨に意識を奪われる様な、不快な違和感に心を塞ぐ。悍ましさと美しさの同調は理解不能。唯一心が反応した『リンデンバウム通りの双子』。少年時代彼らがゲシュタポに破壊されたものは、家族の絆ではなくアイデンティティそのもの。この1篇のみ登場人物に固有名詞が付与される。

2020/07/02

ぶんこ

小川洋子さんは尊敬している作家さんで大好きなのですが、こちらは苦手。こういった作品も書かれるのかと驚きました。黒小川? 文章は美しいのですが、怖すぎる内容で半分の「バックストローク」で挫折。読むのをやめました。何冊か立て続けに苦手なのを読んでしまい、すでに心を塞ぎ始めていました。次はホッコリ、爽やかな作品を読みます。

2016/09/27

wanichan

短編集。不思議な話や不可思議だったり、ゾッとする話。どれも美しい文章だけど、どこか影があるような雰囲気を漂わせてます。

2015/08/17

なつ

図書館本。描写(文章)は美しく、流れるような滑らかさ。読後感の余韻は、不思議な世界を覗いた後のようでした。切なくもあり、奇怪で妖しい。内容がどうというより、物語が纏った雰囲気を味わうように読んだ1冊。

2016/02/09

現実と幻想の間を彷徨っているようで、でもちゃんと現実に足をとどめているような、そんな短編集だった。著者の作品の中では、現実に近い方だと思う。穏やかで静謐な言葉の海にどっぷりと身を浸らせるような読書をすることができた。やっぱり著者の作品が好きだなと感じる。小川洋子さんの初期の作品はまだたくさん読んだとは言い難いので、これからどんどん開拓していきたい。★★★★☆

2022/05/03

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