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ゴリラの森、言葉の海

ゴリラの森、言葉の海

ゴリラの森、言葉の海

作家
山極寿一
小川洋子
出版社
新潮社
発売日
2019-04-25
ISBN
9784104013081
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ゴリラの森、言葉の海 / 感想・レビュー

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starbro

霊長類学者 山極 寿一(初読)と作家 小川 洋子(新作中心に読んでいます)とのゴリラを巡る対談集、興味深い内容でした。ゴリラを通して、人間を語るといった趣きです。ゴリラにホモセクシャルな性行動が観察されているとは思いませんでした(驚)🦍🦍🦍

2019/05/28

ろくせい@やまもとかねよし

山極さん、小川さん、ありがとうございました、に尽きる。言葉は違うものを同じにし、自分の都合が良い整理を与え、感性より論理を優先させ、社会の共有を図る。しかし社会はとても曖昧で、ほとんどが言葉で表現できない。つまり言葉は虚構を産む道具だと。でも人間は言葉使う。それは言葉でしか感じられない情動が存在。言葉で綴る歌による大きな共感、言葉で通じたときの大きな安堵、そしてかけがえのない文学。特に小説は実存の時間や空間の境界を簡単に超え、感動を誘う。こんな内容を、ゴリラ研究談義と屋久島霊長類探索から感じたい方、必読。

2021/08/27

ちゃちゃ

実に興味深い対談だった。言葉を持たないゴリラの研究者と、言葉を通して物語を紡ぐ作家。山極氏と小川さんの4回に及ぶ対談は、ゴリラの生態をもとに私たちにあるべき姿を問いかける。とりわけ印象に残ったのは、屋久島の原生林の中での対談。森を歩くことと小説を書くことの共通性。どちらも、先を見通せない予測不可能なフィールドを歩く不安と喜びがあるという。五感で感じるものを頼りに、「森」を歩く人と言葉を紡ぐ人。お二人の心がシンクロし、そこに深い示唆が生まれる。両氏の力を借りて私たちが見つめ直すべきものは、地球の未来なのだ。

2019/07/16

けんとまん1007

ゴリラは哲学者だと思っている。そんな哲学者の研究の第一人者の山極先生と、小川洋子さんの対談。動物の中で、人間は珍種だと思っていて、それが正しいと意を強くしたのがある。改めて、自然とは、生き物とはを考えたし、未来とはをも考えた。

2019/07/28

がらくたどん

「言葉の網ですくい切れないものがあふれている世界」を見つめる霊長類学者と「言葉では名付けえない秩序によって守られた世界」を言葉で探ろうとする作家の、ゴリラとヒトに思いを馳せる対談。当たり前だが山越氏も小川氏もヒトなので言語と過去(死者の連なりの末の自分)と共感というヒトの脳の嗜好性には縛られる。それを分かったうえで敢えて脳の言い分を振り切って今ここにある身体全体で世界を観ようとする心意気が心地よい。人気のない山や森に立ち入りたくなるのは、脳の言い分ばかりが優先される暮らしへのささやかな抵抗かもしれない。

2021/10/08

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