世界のひびわれと魂の空白を
世界のひびわれと魂の空白を / 感想・レビュー
CCC
時事的な箇所は90年代後半の空気が濃厚。筆者の考えは書かれているが、基本的にマスメディアの流している情報、言説が前提に近い出発点になっている。後半の「石に泳ぐ魚」裁判についての部分は面白かった。傷つけるのは良くないVS表現の自由。どこまでの表現が許されるのか、という問題のはずだが、具体的な作品への指摘は説教どまりの話ばかりで、現実的に参考になる基準は見えにくい。また「石に泳ぐ魚」が非難された基準で考えるとエッセイ漫画なんかはアウトになる作品が無数にあるように思える。司法基準の恣意性を感じた。
2024/03/24
悸村成一
野次馬と化して言えば、論争に係わる最後の3編が殊のほか面白い。但し、モデル問題で裁判所に持ち込まれた小説に関しては、未読だし何も判定を下せないのだが……。図書館本。 125
2015/08/26
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