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虚空へ

虚空へ

虚空へ

作家
谷川俊太郎
出版社
新潮社
発売日
2021-09-28
ISBN
9784104018086
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虚空へ / 感想・レビュー

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旅するランナー

言葉数を すっぱり 切り詰めた 十四行詩、言葉の殻を剥き 詩の種子を割り 余白を味わう、言葉の氾濫に 抗い 苦言し 飛び越える、ウン コワイクライ スバラシイ

2021/10/09

アキ

谷川俊太郎による短い言葉の十四行詩。生と死、言葉と自然、宇宙と天地。これらの詩には、言葉を削ることで研ぎ澄まされる感覚が現れる。  <もし死が>もし死があるのなら そこから始める 私はもういないが虚空には在る至る所に 目に見えず耳に聞こえぬものに満ちて  <どの一生も>どの一生も言葉に尽くせない 一輪の花と同じく 唯一の星の地上に開き 誰の哀しみの理由にもならずに宙に帰る 

2021/11/03

けんとまん1007

あとがきを読んで、なるほどなあ~と思った。短い言葉で構成された14行詩、全88編。全部で一つの詩のようでもある。淡々とした言葉から浮かんでくる色合いがある。どこか、少し枯れたような、淡い色合いを感じる。とは言え、穏やかな中にも、想いの深さがある。少ない言葉で綴る意味を考える。

2021/12/21

まこみや

詩は通読するものではなく、味わうもの。自分のペースでつきあって暗唱できるようになりたいものだ。〈文字で/読みたくない/声で/聞きたくない//言葉の/意味から/滲み出すものを/沈黙に探る//山の/無意味の/静けさ//死に向かう/人間の/無言〉 谷川さん曰く、「暗がりのなかで蛍火のように点滅する」短い行脚の十四行詩の連作だ。一篇一篇をゆっくりと味わうとき、日常の時間とは異なる時間を生きているように感じる。

2022/01/20

新田新一

谷川俊太郎恐るべし。短い言葉で、この世界の成り立ちや人生の意味といった根源的な事を表現する書き方に、圧倒されました。哲学書のように抽象的な言葉を書き連ねなくても、物事の本質に迫れるのだと思います。言い換えれば、これが散文とは異なった詩の強みと言えるのかもしれません。98ページの「自他」という詩では、自分と他人の間にある目も眩むような相違を14行の詩で簡潔に表現しています。谷川さんの詩には、生の絶対的な肯定があります。苦しくて悲しくて惨めでも、この世は生きる価値があるという姿勢をこの詩集でも学びました。

2024/11/01

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