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幸田文の箪笥の引き出し

幸田文の箪笥の引き出し

幸田文の箪笥の引き出し

作家
青木玉
出版社
新潮社
発売日
1995-05-01
ISBN
9784104052011
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幸田文の箪笥の引き出し / 感想・レビュー

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詩歌

芭蕉の時代にストレッチ足袋があったとは! 今より遊びのある織で再現するのも難しい技術だろうな。こういう昔の人々が試行錯誤して手に入れた細部の工夫、日々の始末の煩わしさ鮮やかさが書かれていました。平安の喪についての知識、猫の洗濯からの染めの唐突、虎の着物の愛着。掲載写真には好みではない着物もあるのに、麗しい筆致で私のお気に入りであるような錯覚をおこしてしまいました。

2015/10/20

双海(ふたみ)

その時々の思いが胸を衝つ―きものを通して愛娘が描く“幸田文の世界”。きものを爽やかに美しく着こなした幸田文。その残されたきもの一枚一枚に美的感性が燦めく。母と娘の切なくあつい思いが伝わる感動のエッセイ。芸術選奨文部大臣賞受賞。 カラー写真がたくさんあって見ていて楽しい一冊です。

2014/04/17

Ex libris 毒餃子

幸田家の血筋の美文。着物が普段着の時代の人の話であるが、生々しさを感じるのは文章力の賜物。

2024/08/17

方々亭

幸田文の娘が母親との思い出を着物を軸に綴った随筆。第一部は平成6年1月から12月に芸術新潮に連載された。第二部は書下ろしで、翌年の平成7年に出版されている。連載ものの第一部は読み進むにつれ、寒い時期からの季節の移り変わりを感じさせてくれる。書下ろしの第二部は、オムツの話から始まり母の最晩年の話まで。

2022/04/14

amanon

血は争えないというか、さすが、露伴の孫、文の娘というか…とにかく母親譲りの瑞々しい感性と文体が印象的。話の大半が着物についてのものということで、理解しづらい箇所も少なくなかったが、それでも興味深く読めたか。それにしても、かつてあった着物文化が廃れてしまったことの意味を改めて考えさせられることに。着物を着なくなったことによって、我々の身体感覚も確実に変わってきている…そのことによって損なわれる物について考証が必要ではないか?また、露伴と文との関係が、文と玉子との関係で反復されている感があるのが、可笑しい。

2019/04/17

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