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ひらがな日本美術史 5

ひらがな日本美術史 5

ひらがな日本美術史 5

作家
橋本治
出版社
新潮社
発売日
2003-09-23
ISBN
9784104061068
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ひらがな日本美術史 5 / 感想・レビュー

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アキ

映画「HOKUSAI」歌麿・写楽・北斎が蔦屋重三郎の酒席で言い争うシーンが印象的。江戸時代中期18世紀後半の日本美術では、京都における現代の美術に通じる円山応挙の写生、へんな水墨画を描いた蕭白・蘆雪、自分の絵に没頭した若冲、岡山の玉堂らの絵画と、江戸にて美人画の歌麿・役者絵の写楽・初世歌川豊国などの最盛期の浮世絵がある。鉢植え植物の盆栽、江戸のデザインを表す印籠、調度。京都と江戸の競うような百花繚乱の芸術の華。いつもながら縦横無尽に語り尽くす治節。個人的な好みは歌麿。芸術に日本独自のフォルムができた時代。

2021/06/11

おおた

「ひらがな」と冠されているように、言葉で日本美術をわかろうとするシリーズ。本作ではいよいよ奇想の曾我蕭白、長沢芦雪が登場! 蕭白の奇っ怪な群仙図屏風を「あれが蕭白の美意識であり、あんな絵しか描けない人」と看破し、芦雪は「へんなことがやりたい人」とその中途半端さを見抜いてしまう。そして高評の初期写楽を「時間がないからとっとと仕上げた版画」、後期の写実的な方は「写楽に時間を与えてやりたいようにやらせた結果」という観察力は、ちょっと真似できない鋭さ。変に美術館の解説読むよりこっちの方が刺激的です。

2015/09/01

かにこっこ

再びの痿陰隠逸伝、江戸にフランス革命を!では全文掲載していたが、つまり浦上玉堂のそして平賀源内の「ただそこにある男根」こそが最も正鵠を射た江戸時代の比喩なのである。橋本治にとっては。性欲はある、自由がある、しかし自我はない。人の主体が問題とされなかった豊かで穏やかな管理社会。/ブロマイドとして写楽と豊国並んでたら私も豊国の方買うなぁ。

2021/03/22

くさてる

時代はとうとう江戸時代へ。ここら辺になると無知な私にもわかりやすい絵画が頻出して、それを謎解きしてくれる筆者の言葉が興味深くてたまらない。近代が近くなってきた証拠かな。知的興奮が味わえる一冊です。

2010/08/19

Nekotch

緻密さ、美しさ、繊細さ、大胆さ、内側からほとばしるもの、外から頼まれたもの、商業ベース。その在り方が正しいでも、よくないでもない。ただそれぞれの味を「このようである」と言語化していて。「それでは、己は何を表現しているの?どう生きるの?」と泣きたくなるほど問い詰められるようでもある。描き方のマニュアル本を読む以上に、自分自身の描き方をどう定義するのかを見つめることになる。「こう描くと良い」はいくらでもある。でもそこをはみだしたものをつくることが間違いなのかと。

2021/09/17

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