もう少し浄瑠璃を読もう
もう少し浄瑠璃を読もう / 感想・レビュー
ゆうこ
3月に『一谷嫩軍記』を鑑賞に行くので予習としてこの本を手にした。一冊全部では無くこの話だけを読んだが、これはよかった。平家物語をベースにした親子の話、しかもほぼ公演されないであろう箇所も丁寧に説明されていて、初めて浄瑠璃を観劇に行くものとしては本当にありがたい本でした。行く前にもう一度読んで、観劇に臨みたいと思います。
2022/01/09
ツキノ
『渦』を読んで浄瑠璃を観てみたい!という気になったので、実現前に読んでみる。しかし『浄瑠璃を読もう』の続編とは思わなかった。8作品(小栗判官、出世景清、曾根崎心中、夏祭浪花艦、双蝶々曲輪日記、摂州合邦辻、一谷嫩軍記、伊賀越道中双六)のストーリー解説。まるで当時の様子をわかっているかのよう。作品を観る機会に再読したい。
2019/11/16
amanon
同趣旨の『読もう』も読んだけれど、未だに浄瑠璃と文楽との定義、それに歌舞伎との関係性がよくわからず(笑)。それと同時に、『読もう』を読んだ時と同様に、浄瑠璃の世界って、著者が言うように、相当にぶっ飛んでいて、ご都合主義で、訳がわからないものなんだな…ということは認識できたか。いみじくも著者が言及していたが、今日のような個人というものが確立されていなかった時代の作品を今日的な尺度で計ろうとするのは、無理があるのかも。また、実際に浄瑠璃を見れば、文章では伝えきれない魅力を覚えるのかもしれないが。要再読本。
2021/06/13
futomi
摂州合邦辻と、一谷嫩軍記は地元の人形座が繰り返し演じ馴染み深い。摂州は中でも好きな作品だ。玉手が「本気でないはずは」(236ページ)ないのは承知だが、この執拗さは確かに怖い。床本を読むのは好きなのだが、言葉の調子の良さに引っ張られて、こんなに深く読んでいなかったように思う。 江戸時代の人々の考え方、物語の進め方が興味深く、次回の観劇が楽しみだ。前作も読まなくては。
2019/12/18
hasegawa noboru
「エゴ」と「個人的感情」でしか生きない現代人には「義理」と「人情」(=責任と人類愛)で生きよの江戸浄瑠璃世界の人間関係はどうにも複雑緻密にしてややこしい、理解不能のものになってしまったということなのだろう。橋本治の手にかかると読んだこともない浄瑠璃がそんなに面白いものかと見えてしまう。仇討という使命のためにはわが子をも刺し殺してしまうという、普通に歪(いびつ)な主人公唐木政右衛門を語る巻末部(不条理が顔を出す『伊賀越道中双六』)は筆者橋本の遺言のようにも読めてもの凄い。〈近代の作者なら〉〈江戸時代の「仇討
2019/08/06
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