最後の愛人
最後の愛人 / 感想・レビュー
みつき
作者七十歳の時の、最後の愛人。老いのために、男性としての機能は失われており、肉体関係になくとも、愛人として精一杯愛された二十三歳の女性さくら。彼女がなぜ自殺という道を選んだのか。『瘋癲の果て さくらの昇天』は、話も堂々めぐりだし、あっちこっち話がいくので小説の体をなしているとは言えないですが、深い悲しみと、彼女の深い闇を見抜けなかった後悔が、昔の思い出話とともにつづられていて、団先生の身が八つ裂きにされるような辛いお気持ちが滲みでています。
2013/02/25
シュラフ
SM小説ではなく、団鬼六の最後の恋の物語である。人生の意味は快楽の追求にこそあると信じる団鬼六であるが、寄る年には勝てずインポテンツとなってしまう。そんな時に出会ったのがキャバクラ嬢のさくら。団鬼六はさくらとセックスのない愛人関係を結ぶことになる。幸せな日々が続くが、ある日突然にさくらは自殺してしまう。団鬼六の心の喪失の様子が描かれる。 エロ小説ではないが、猥談ぽい話が出てくる。東大卒の女性編集者はエクスタシーの瞬間を自身の性体験から「しだれ桜になる」と比喩している。そーなのかなと思った。
2013/05/03
tan_keikei
突然の死を遂げた最後の愛人さくら。人生を全うできなかったが故永遠の存在になった彼女に対し、老残の身を晒しつつ人生の夕映えを愉しむ決意を固めるまでが時にはエロく、時にはユーモラスに綴られますがやはり全編通して哀切です。
2011/10/29
☆カジュ☆
初めての団鬼六。SM は出てこない。立たなくなった老作家とキャバクラ嬢とのプラトニックラブ。愛人さくらは突然自殺してしまう。その真相を追うでもなく、たださくらが愛しかったのだと!最後の恋だったのだ!と綴られる。色々気になって調べてみたら団先生とさくらさんの写真が出てきた。小説家って凄い。
2012/09/23
花曜
本妻公認の愛人、羨ましすぎる
2010/06/03
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