狐狸の恋 お鳥見女房
狐狸の恋 お鳥見女房 / 感想・レビュー
文庫フリーク@灯れ松明の火
勝手に命名・肝っ玉母さんシリーズ第4作。抜群の安定感なのに話の進み方は速い。祖父との因縁ある綾の心をほぐし、奇策で鷹姫さまをお鳥見役・寺田家の養女にさせ長男・次男の恋を実らせる珠世母さん。次女は母の言葉に嫁ぎ先での自分を取り戻す。中心にいるのは珠世母さんでありながら、二男二女の子供に夫と父・かつての居候、源太夫一家の一人一人が物語を引っ張る。人情ものとして読者を大泣きさせる描き方もできるのに、独特の軽みが味ですね。個々のエピソードに平岩弓枝さんの『御宿かわせみ』や池波さんの『剣客商売』が浮かびました。
2011/12/19
ゆみねこ
矢島家の長男、次男とも想う相手とめでたく祝言の運びと相成り、ハッピーエンドの今巻。珠世さんの気配りがいつもながら素敵。
2013/12/30
ちょるる
お鳥見女房シリーズ第4弾。母親なら(妻としても)わかっていないといけないんだろうなと思う事が、全てに的確な珠世。珠世に育てられたら大丈夫!と思う。夫伴之助も落ち着きを取り戻し、長男、次男も思う人と一緒になれそうで一安心。「世の中はなるようにしかならない、いやなるようになる。心安らかに1日1日を精一杯生きていれば、良い方へ流れていく。」えくぼの素敵な珠世さんからは学ぶ事ばかりです。
2015/09/28
くりこ
シリーズ4作目は矢島家長男次男の恋模様と身の振り方が紆余曲折を経てようやく固まってひと安心。久右衛門の心の痼りもようやくとけてほっと一息つけました。
2016/03/21
kazu@十五夜読書会
お鳥見女房シリーズ4弾。夫伴之助が任務を終えて家に帰り、矢島家には平穏が戻りかけていた。お鳥見役に任命された長男久太郎には縁談が持ち上がり、次男の久之助にも想い人が……その成長は頼もしいが、久太郎の相手は一家の敵・老中水野忠邦に連なる家の娘、久之助の見初めた娘にも家がらみの事情があった、珠世の問題が起きたとき行動力に感動した。子らそれぞれの幸せを願って温かい珠世の笑顔……。
2012/10/20
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