人はなぜ歴史を偽造するのか
人はなぜ歴史を偽造するのか / 感想・レビュー
更紗蝦
いわゆるトンデモ本と言われるような類いの妄想本が書かれるきっかけや、そういう本を信じてしまう心理、政治的に利用される構図、教育に与える影響…等を解説している本です。「語られた物語が美しければ美しいほど、我々はその物語に寄り添ってしまい、批判はおろか自分自身で考えることをせずに受容してしまう」という指摘(190p)に、オタクとネトウヨの親和性の高さが腑に落ちました。1998年出版の本ですが、天皇制と日本国憲法に関する記述がかなりあり、2016年現在、とてもタイムリーな内容となっています。
2016/07/22
Gordon
祖父蔵書から拝借。1998年発行の書。 江戸や明治、そして戦前前後の混乱期に起きた日本の史記に関する史観とその意図的な歪曲の歴史を紐解くというものだった。 身分階級の厳しかった江戸以前は、「家」の継承や由来が重要であり家系図をでっち上げる「系図屋」という職すらあったことにビックリ。本書の大半を明治に起こった皇室南北朝正閏論について割いており、そもそもそういう激しい論争があった事を初めて知った。。皇室継承、日本国憲法の改憲、公務員のあり方など、逆に今話題にもなっている事柄だけに古めかしさは感じず一気に読了。
2018/02/16
yanapong
南北朝正閏論を中心として、偽史成立の過程を描く。
2011/07/09
そら
歴史には「史実」と何らかの思想や意図がある「史観」があるということなどを、南北朝時代の取り扱いの変遷など実例を通して指摘される。憲法解釈についてなどは平成10年の発刊という古さを感じない、今でも変わらずに通用する論理。いろいろと示唆に富んだ良書だった。
2024/06/22
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