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海猫

海猫

海猫

作家
谷村志穂
出版社
新潮社
発売日
2002-09-01
ISBN
9784104256020
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海猫 / 感想・レビュー

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taiko

ロシアの血を引く娘薫が、漁師町に嫁入りした。 若い夫邦一とその家族との幸せな暮らしが始まるが、薫の気持ちを惑わす出会いがあった。 … 面白かった。 主語が突然変わるような、読みにくいと感じる部分もありましたが、それを忘れるほど夢中になりました。 薫の美しさが生んだ悲劇とその娘達へと繋がる物語。 親子三代の物語とは言え、朝ドラのような爽やかさはなく、どちらかと言うと、ドロドロした展開でしたが、最後は幸せが見えるような終わり方で良かった。 どこが仄暗い北の海、情景が目に浮かぶようでした。

2022/02/13

タカギ

昔、読んだ気がしていたけど、読んでいなかった。映画は観た。伊東美咲。著者は「祖母と孫」という関係性に引かれているのかな。『いそぶえ』もそうだった。時代的にもちょっと泥臭いようなところを好んでいる気がする。映画は暗い悲恋ものだったけど、それは本書の前半部分だけだった。前半は壊れていく家族の様子がやりきれなくてとても恐ろしかった。薫の行動に一貫性がなくて私はずっと首をひねっていた。あと、「海猫の目がほしい」といって海猫の目を洗って集める少年も結構怖い。後半はその子ども世代の話で、少しは強く明るい感じもある。

2023/04/04

鳴海

島清恋愛文学賞作品。女性の孤独を描く作品はとても好きで、期待値が高かったが、早々に主人公が自ら命を絶ったところで、読む意欲が半減してしまった。繊細で、愛され過ぎた宿命だったとしても、義弟と抜き差しならぬ関係を結び、二人の幼子を残して死を選ぶ身勝手さに、嫌悪感を拭えない。一方で、もう一人の主役とも言えるその母親の逞しさ、運命を全て懐に受け入れて生き抜く姿こそが、美しい。暗雲の歴史に溺れぬよう、命を繋げ前に進もうとする、残された家族が愛おしく、港町の風情や海猫の鳴き声が哀愁を帯び、背景を奥深くしている

2022/06/29

さんつきくん

文庫化すると上下巻に別れる大作。第一章、第二章は透き通るような染み入る文体で描かれた、登場人物達が互いに不倫をする話だった。ロシア人の血が流れるクォーターの主人公・薫は道南の小さな漁村に嫁ぐ。夫の邦一は漁師。やがて子を授かるが、邦一は違う女に手を出してしまう。薫も邦一の弟広次と関係を持つ。やがて出産。二人目は広次の子だった。そして悲劇。第三章では薫の子で異父姉妹の美輝と美哉の話し。姉の美輝は大学生になり、恋を経験していく。美哉は精神的バランスを崩してしまう。所々海猫が鮮やかに舞う描写が効果的に挟まれている

2017/04/18

なかしー

高校生の時に読了本。 映画視聴後に見たので、分量が多かったですが読みやすかった。 当時の記憶ではかなり濃密なベッドシーンで昼ドラを観てるようでした。

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