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雪になる

雪になる

雪になる

作家
谷村志穂
出版社
新潮社
発売日
2008-01-01
ISBN
9784104256044
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雪になる / 感想・レビュー

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masa@レビューお休み中

江國香織がフランスのアンニュイな感じをだしているのだとしたら、谷村志穂は北海道のアンニュイな感じをだしている作家なのではないだろうか。雪になる以外の作品は、必ずしも北海道が舞台ではない。主人公の性別も、年齢も、職業もバラバラである。それにも関わらず、ひとつの作品としてまとまりを感じるのは、雪が象徴として、そこにあるからかもしれない。いつ止むかすらわからない雪を見ていると、なにもかもが幻で、手に入れることなどできないと思ってしまうことがあるのだ。だから、主人公たちが間違っているだなんて、僕には言えない…。

2013/11/29

おくちゃん🍎柳緑花紅

もうすぐ真っ白な雪でおおわれるであろうここ北海道で「雪になる」というタイトルは似合うと、久しぶりに手に取った谷村志穂さん。しんしん、しんしんと雪が降る風景の中の短編六つ。どれも冷たく寒い。暗くて切ない。けれど私は知っている。雪は時にあたたかいということを。雪が降って真っ白な世界。音も何もかも消えてしまうような世界。そんな世界の中でかすかな雪の降る音を聞きながら私も白く染まってしまえるだろうか。雪国に戻りこの作品に触れほんの少し雪が待ち遠しくなった。

2014/11/24

あつひめ

二年ぶりに再読。何度読んでも初めてのような新鮮な気持ちになる。今、お気に入りの場所、小樽は自分もそこに住んでいる気になってしまった。雪の結晶のような儚さの裏に雪の重たく冷たいものが味わえる。

2012/10/26

あつひめ

雪の本当の正体を良く知っている作家さんならではの作品だと感じた。雪は真っ白で幻想的で美しい・・・なんていうよりも、重くて音をも消し去ってしまう。見たくない物を覆い隠すようにしんしんと一晩で景色を変えてしまう。人の思いを消し去るように風を味方に荒れ荒ぶ。それが雪・・・。自分の思いを雪の下に寝かすような短篇集。雪は・・・暗くて重くて冷たくて・・・だけど雪の中はほっこりあったかい。あ~早く雪の季節を迎えたい。

2010/09/11

James Hayashi

6編の短編集。青春モノもあるが大人の恋を感じた。短編なので余り深くなく、もう少し読みたいという気持ちになった。表題作だけでなく、雪や冬がメインであり人肌が恋しくなってしまう様な。

2019/05/07

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