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クォンタム・ファミリーズ

クォンタム・ファミリーズ

クォンタム・ファミリーズ

作家
東浩紀
出版社
新潮社
発売日
2009-12-18
ISBN
9784104262038
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クォンタム・ファミリーズ / 感想・レビュー

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ダイトウ産

私が理解出来ていないのか、物語が破綻しているのか、もうよくわからない。パニック。量子コンピュータによるシュミレーションにより並行世界を行き来できるようになって、其々の世界から家族のメンバーを集めたという話。無駄に文学ぽくして、無駄に物理学ぽくしたことで、ぐちゃぐちゃになってる。筆者は頭良い人なので、整合性とれてるのかもしれないけど、いや、やっぱり取れてへんで、なぜなら、まず、並行世界は行き来できまへん。時間を返してくれー!!

2022/12/09

Ecriture

「計算資材」という概念を導入して郵便論が持つ物質性を見つめ直し、郵便的複数性が有限である(ように見える)ことを示したところにシビれた。仮定法過去は増え続けるわけではない。「可能世界のキルティング・ポイント」という表現に明らかなように、著者はクリプキとジジェク、デリダの関係を大幅に整理し直している。『存在論的、郵便的』は10年後に小説という虚構の形式をとった「郵便的存在論」として更新された。嘘をつく動物に進化した著者の姿がそこにある。

2010/03/06

量子力学を下敷きにした平行世界もののSF小説。ジャック・デリダ、村上春樹、ドストエフスキーなどに関連した様々な要素が盛り込まれています。話が複雑で異なる種々のテーマが盛り込まれているにもかかわらず物語に論理的破綻が見られず冗漫にもなっていないのは見事でした。ただ設定がかなり凝っていることもあり理解するのにだいぶ苦労しました。

2018/07/25

阿呆った(旧・ことうら)

『動物化するポストモダン』で有名な東浩紀の小説。『並行世界』『ネット』『家族』『あり得た人生』等が、キーワードに挙げられると思う。哲学や量子論などの専門用語が当たり前のように出てくるため難解だが面白い。『ひとの生は…決してなしとげられなかったが、しかしなしとげられる《かもしれなかった》ことに満たされている。生きるとは、なしとげられるはずのことの一部をなしとげたことに変え、残りをすべてなしとげられる《かもしれなかった》ことに押し込める、そんな作業の連続だ』など東流の名言が哲学者らしい含蓄に富んだ作品だ。

2015/06/25

おおかみ

ネット社会と量子論を結びつけた設定はもともと現代人を魅了してやまないと思うが、筆力も優れているものだから、どんどん物語に引き込まれる。とりわけ中盤の疾走感が見事だった。今の僕に「35歳問題」は漠然としか捉えられないが、やがて訪れるものならば、僕はこの小説をずっと意識し続けるのだろう。

2010/02/15

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