私の体を通り過ぎていった雑誌たち
私の体を通り過ぎていった雑誌たち / 感想・レビュー
阿部義彦
図書館本。今は亡き坪内祐三さんが影響を受けた雑誌を、時代別に語ります。小学、中学、高校、予備校、大学時代と別れており、三歳年下だった自分は一時代ずれて自分の記憶と合わせながら読みました。スクリーン、TVガイド、相撲、明星等は私の趣味の外でしたが、コム、ガロ、ミュージックマガジン、宝島、本の雑誌、噂の真相、冬樹社、ブルータス等は私と共通で当時の記憶を呼び澄ましました。昨今の雑誌不況で半分以上の雑誌はもうありません。本屋の売上高を雑誌が支えていた、発売日を楽しみにしていたあの時代を偲びます。
2022/11/20
xtc1961ymo
図書館本、著者は私より三歳歳上、私もぎりぎり貸本屋に間に合った世代で「ガロ」や「COM」を借りて読みました。思春期にはグラビア目当てに「GORO」を読みましたがあの頃の青年誌は総合雑誌でもあり、硬派な記事があったと言う著者に同意します。音楽誌は「ミュージックマガジン」派でした、私が大好きだった「ビックリハウス」に関しては著者は嫌いだと一言のみ。噂の真相、面白半分は夢中で読みました。そして何よりも音楽寄りな頃の「宝島」が燦然と輝いていました。「ミュージックステディ」も良かった。面白かった!
2015/03/26
nanasibunka
少年期から青年期に愛読した雑誌を紹介しつつ、カルチャーの大きな変革期だった70年代後半〜80年代にかけての時代の変化にまで言及する。
2021/04/20
doji
著者のユーモアと自虐混じりの回想による脱線がおもしろすぎるのだけれど、著者のことばにあるように雑誌のアウラというものの代え難さがつまった、ほんとうに愛でいっぱいの本でたのしかった。もう読めない文章というのは確かにそこにあって、webマガジン全盛のいまその意味はどれだけ大きいことかと強く思った。村上春樹の32歳のインタビューとか読みたいぞ。
2018/07/01
坪内祐三がマイルストーンのライターの一人だったことに驚いた。ていうか、坪内祐三が早稲田に在籍していた当時の高田馬場の風景と、自分がいた頃の風景が当たり前だが食い違いながらも微妙に分かる感じがある。だいたいあそこら辺の古本屋はコンビニ感覚で通ってたし、big box前でたまあにやっていた古書店には行っていたよね、ていう贅沢な時間を浪費していたな。
2021/02/15
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