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春になったら莓を摘みに

春になったら莓を摘みに

春になったら莓を摘みに

作家
梨木香歩
出版社
新潮社
発売日
2002-02-25
ISBN
9784104299027
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春になったら莓を摘みに / 感想・レビュー

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紫 綺

梨木さんの海外での生活を綴ったエッセイ集。海外へ独り旅をし、その時の日記をゆっくり読み返しているような感覚。命と同じくらい、日本語を大切にしている作者らしい文章が心地よい。気持ちと時間にゆとりがある時に読みたい一冊。

2012/03/24

Rosemary*

イギリスで学生時代に下宿していた大家さんのウェスト夫人を軸に広がって行く人々とのつながりを描いた小説のようなエッセイ。文章の美しさと風景描写が合間って梨木さんの感性の豊かさが垣間見れる。出てくる方々も魅力的だが、軍を抜いているのがウェスト夫人。このような交流がベースとなり素敵な作品が産まれてきたのだと感じました。さまざまな異文化交流のなかで「理解できなくても受け容れる」なんと奥の深い言葉か、これから何度も読み返して行くであろう一冊。

2014/04/14

Gotoran

著者が学生時に過ごした英国で出会った人々のこと、その際の自らへの問いかけ・感じたこと、それらを瑞々しく綴ったエッセイ。“理解はできないが受け入れる”という慈しみ・労りの気持ち溢れる下宿の主人、ウェスト夫人(師匠のベティ・モーガン・ボーエンか?)。様々な人々、考え方が異なる人々。彼らとの交流。様々なエピソードから、著者の研ぎ澄まされた豊かな感性を垣間見ることができた。些細な出来事・経験をもとにした深い思考も。英国という風土、ウェスト夫人という存在があってはじめて、作家、梨木香歩あるのでは。

2012/09/01

はやしま

とても雰囲気を持った本だという印象。著者の聡明さが滲み出る文章と登場する魅力的な人々、エピソードに惹かれて一気読み。ウエスト夫人は私自身のロンドン下宿時代のLandladyと所属していた自然保護活動のNGOを立ち上げた米国人女性を彷彿とさせる人物像で、読みながら懐かしく自分自身の英国時代を思い出していた。海外で暮らした人なら大なり小なり経験する差別的な言動や先の戦争についての議論も興味深かった。梨木氏の著作は初めてだったけど、ぜひ他のものも読んでみたいと思っている。

2015/11/15

てんちゃん

題名から、ほっこりするエッセイかと思ったら大違い。骨太で深く考えさせられるエッセイでした。著者が英国にホームステイしていたときに世話になったウエスト夫人との交流を中心に描かれてますが英国、米国、カナダで過ごしたこと、またイスラムやナイジェリアの人との交流などさまざまな異なる文化の人々が出てきます。自分の信念を持つこと、自身を反省すること、他者を認めること、日々を深く考えて生きること。生きる上で大切なエッセンスが詰まっています。梨木さんの作品が好きな人には絶対的に読んで欲しい作品。珠玉の名言に溢れている。

2019/04/17

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