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ぐるりのこと

ぐるりのこと

ぐるりのこと

作家
梨木香歩
出版社
新潮社
発売日
2004-12-22
ISBN
9784104299041
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ぐるりのこと / 感想・レビュー

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Rosemary*

ぐるりのこと=自分自身の身の回りのことを書いたエッセイ。あやふやで感覚的なものを言語化しいるかのようであり、文章の基には、著者が、常々考え続けている大河よのうな悠々とした深さが感じられます。とても感受性が豊かで、探究心の強い方なんだと思います。作品の中にも感じる境界というキーワードを色々な側面から思索している。隣家との境界線から、群れと個、世界の中の日本、死との境界、多岐に渡り真摯に向き合っています。難しいけれどとても深く読み応えのある一冊でした。

2014/08/31

美登利

やはりエッセイだったのですね。今まで読んだ梨木さんの作品の根底に流れる、植物に対する執着にも思える世界観は、彼女の知りたいという思いが込められているのですね。様々な世界(国々)へ旅行されていて、そこで出会った人々や、住んでいる場所での周りのことを改めて見つめて「ぐるりのこと」を考える。そのような物語を紡ぎ出したいのだと語る。私は、大人向けの小説から入ったので、梨木さんが児童文学者だとは知りませんでした。本に触れてほしくて、子供たちに伝えたいことが有るのに、もどかしさを感じておられる場面など共感しました。

2014/08/28

なゆ

あまりエッセイは読まないのだけど、梨木さんという人を知りたくなって読んでみた。エッセイというよりは、梨木さんの緻密な思考回路をのぞき見させてもらったような気分。作品達の底に脈々と流れる〝想い〟のようなものが凝縮されているようだった。どこか哲学的な難しさもあるけど、じわっと胸に沁み込んでくるような話がいっぱい。これまた何度も読み返したい一冊になった。

2014/01/30

星落秋風五丈原

もっと深く、ひたひたと考えたい。生きていて出会う、一つ一つを、静かに、丁寧に。イギリスのセブンシスターズの断崖でドーバー海峡の風に吹かれながら友と交わした会話、トルコのモスクでのへジャーブをかぶった女たちとの出会い、イラク戦争の衝撃、少年少女による殺害事件への強い思い——喜びも悲しみも深く自分の内に沈めて、今いる場所から考えるエッセイ。トルコのモスクでのへジャーブをかぶった女たちとの出会い、イラク戦争の衝撃、少年少女による殺害事件への悲しみ——今いる場所から、静かに深く考えるエッセイ

2005/01/10

まる

ちょうど映画の『西の魔女が死んだ』を観たタイミングだったので、あの瑞々しい映像が、梨木さんの思想の世界へ導いてくれたよう。異国や自然のなかにあっても、草花の息遣いや連綿と続く人々の暮らしに思いを巡らせるという意識が素晴らしい。まさに「ぐるりのこと」に目を向ける姿勢を、自分も持ちたいと思った。

2017/03/17

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