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やがて満ちてくる光の

やがて満ちてくる光の

やがて満ちてくる光の

作家
梨木香歩
出版社
新潮社
発売日
2019-07-29
ISBN
9784104299126
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やがて満ちてくる光の / 感想・レビュー

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風眠

もしも梨木さんが私の身近な存在であったなら、間違いなく「お手本にしたいお姉さん、または先輩、No.1」だと思う。静かだけれど揺るがない意思があり、人や物、自然に対するデリカシーがあり、そのことをとても大切にしている感じが、素敵だ。おしとやかそうなイメージだけれど、活動的でもあって、感受性のアンテナを様々な方面に立てているという所にも憧れる。こういう人だから、『西の魔女が死んだ』や『家守奇譚』といった作品を生み出せたのだなと思った。少し手を加えれば、短編小説になりそうな文章たち。あえて随筆集と呼びたい一冊。

2019/09/25

ちゃちゃ

豊饒な梨木ワールドのバックボーンを成す言葉の世界。日常や旅で得た気づきを深く掘り下げて思索へと繋げる姿勢。小さな疑問や違和感にもこだわり自己と対峙しながら追求する飽くなき探究心。彼女のエッセイからより強く感じるのは、ヒトとして自然とともにあるという共生への揺るぎない姿勢だ。また、ヒトとして群れに生きつつも群れに縛られて個を見失ってはいけないという、集団や組織との距離の置き方。命あるものへの慈しみや自然へのフラットで真摯な姿勢が彼女の人間的な魅力として言葉に結実する。改めて今、胸に刻んでおきたい言葉の数々。

2019/11/26

のぶ

読んでいて好奇心を刺激される本だった。とても魅力的なタイトルに魅かれ入手した。梨木さんが文筆業を始めた頃からの文章を纏めたもので、今までのエッセイ集と似ている部分もあるが、新鮮なものを感じさせるところが多かった。いろいろなところから集めたものなので、ジャンルは多岐に渡っているが、全体として梨木さんの個性が良く出ていた。自然の事、旅行の事、読書、料理等。実に行動力のある人だと思った。一つ一つに鋭い観察眼を持っているのが良く分かり、このライフスタイルには憧れた。梨木ワールドの1つに加えようと思う。

2019/08/15

美登利

ああ、なんということだ。台風の被害で読書が1週間もままならず、返却期限が来て駆け足で読むしかなかった。ゆっくりと時間を掛けて読みたい大好きな梨木さんの本なのに。しかも初期の頃からの小さなエッセイをまとめたもので、梨木さんの原点を知ることができるものだったのに。「赤毛のアン」は中学生の頃に読みましたがこんなに深い内容だったとは当時あまり感じて無かった。充分過ぎるほど大人になって改めて読んでみようかな?という気持ちになってきた。梨木さんは私にとって理想の生き方を示してくれるといつもより一層感じる文章だった。

2019/09/18

kaoru

梨木さんが20年間に書いたエッセイを収録した本だが、その先見性に感心する。2007年のインタビューの「日本は…野生動物植物の生息領域を奪い取ってきた」という発言は、地球規模で捉えればコロナ禍を予言している。村岡花子、牧野富太郎のついてのエッセイも。学者M氏の家を見学したことから彼が翻訳したバルト神学を読み、日本における「個」の問題に思いを馳せたこと。エストニア、アイルランド、女満別など地球のどこに行っても独特の鋭敏さで現代と対峙する姿勢は一貫している。彼女が多くを注ぎ込んだという『沼地のある森を抜けて』⇒

2021/07/16

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