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地図のない道

地図のない道

地図のない道

作家
須賀敦子
出版社
新潮社
発売日
1999-10-01
ISBN
9784104328017
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地図のない道 / 感想・レビュー

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くみ

旅の中で思う友人、家族、大好きなだんなさまのこと。繊細さと自己主張が混じり合って、須賀さんの当時の心の揺れが感じられるようです。特にだんなさまを亡くし頃、誘われて訪れたヴェニスでの回想は夢と現が混ざり合ったようです。訪れた教会で思い出す新婚の頃のこと。新婚旅行に友人が付いてきてふくれっつらになった須賀さん。そんな須賀さんを後々までおかしがっただんなさま。哀愁と透明感、そして須賀さんの熱量が、ふと隣にいるようでした。力が抜けて深呼吸できる。

2018/06/24

愛玉子

陽光あふれる美しい都、ヴェネツィア。しかしここに描かれるのは、華やかなだけではない影の部分。ガイドブックには出てこないようなヴェネツィアと、作者自身の思い出が美しい端正な文章で綴られていく。友人たちや夫と過ごした楽しい、そして悲しい記憶は、すべて等しく時間に浄化され、透明な水底に沈む結晶のようにきらきらと懐かしく輝く。静謐であたたかく、凛とした言葉遣いが心地よい。

2009/12/28

あめりきゃっと

静かですぅーと心に溶けていくような文章。初めて読んではまりました。風景の描写も丁寧でイタリアの生活と細部に触れられました。

2010/12/02

今夜は眠れない

凛とした佇まいに惹かれる。

2015/05/25

ネロリ

気になっていた須賀さんの本が、図書館で目に留まった。最後の作品集だと気付いたのは、いざ読もうという段になってだった。他の作品も、やっぱり気になる。本書は決して明るい調子ではないけれど(他の作品のトーンも分からないけれど)、彼女の体験から歴史を辿る真っ直ぐな姿には惹かれたし、トルチェッロの桟橋の土手で最終便を待つ彼女と夕暮れには、息をのんだ。

2011/10/03

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