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海と山のピアノ

海と山のピアノ

海と山のピアノ

作家
いしいしんじ
出版社
新潮社
発売日
2016-06-30
ISBN
9784104363049
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海と山のピアノ / 感想・レビュー

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なゆ

好きかも!表紙の超絶な素敵さにからめとられて読んだのだけど、本のなかの世界もとっても良かった。九つの短編、それぞれ違うのだけど、いしいさんからあふれる世界がくっきりと。不思議といえば不思議、でもあり得そうで、あったらいいな面白いな、そんな感じ。自然と人とのあり方、そんな事も想う。海、山、土地、生き物、幻、読むうちに景色がポンポン浮かび、絵本のような。『ルル』は泣きそうになるくらい沁みた。ルルはいた、絶対。そして、「鳥の声がきこえる。ホイ。」が脳内リフレイン。『野島沖』もいい味出してる。ソフトクリームかぁ。

2017/08/22

Rin

【図書館】いつも当たり前にそこにあるものたち。何気なく使う言葉や、歌にふるさとに海、ペットや生き物たちも。でも改めて歌って、熊って、ふるさとって何だろう?と思ってしまう。短編集ごとにとりとめもなく、突然にいろんなことが押し寄せてくる。いしいさんの世界に飲み込まれて、読み終えると吐き出されて。それでも、また読むことを始めてしまう。そこに確かにあるものを探してしまう。表題作とふるさと、ルルが印象深かった。深い愛情と切なさを感じるルル。誰が何と言おうと、ルルはそこにいた。そして今もどこかにいると信じています。

2018/04/10

itoko♪

初読みの作家さん。児童書のような幻想的な装丁に惹かれ、手に取りました。水に纏わる短編集。SFのような、童話のような独特な世界観があり、読みにくく理解しづらいものも。でも、あの大震災をモチーフにしたであろう『ルル』は良かったな。辛く悲しい時に、心の拠り所として求めた存在。それは目に見えないからといって、そこにいないということにはならない。子どもたちの心の中に、そして記憶の中に、それは確かに存在し、今も生きているのだから。

2016/08/15

いたろう

いしいさんらしい幻想的な短編集。大人のためのメルヘン。ストーリー性より、観念的なイメージを繋いだような物語に不思議な感覚を覚える。中でも、表題作の一編、グランドピアノの中に入ったまま、グランドピアノと一緒に海岸に流れ着いた少女の物語が、強烈な印象を残す。そして、全ての短編に共通する海、川の水のイメージ。表題作の中の「海は、得体が知れない。悲しみの底にひとを引きずり込むことがある。ただ、時に、思いもかけない贈り物をよこしてくれるときもある。」という文章が、この短編集全体を総括している。

2016/08/07

ユカ

夜にみた夢を文字にしたかのような、不思議ワールド短編集でした。本に集中できない心境で読むんじゃなかったな。「ルル」はすごくよかったです。どれも海に関係したお話で、海難事故や津波災害も出てくるので、2011年の宮城県沖地震を思い出してちょっとつらくなったり。わたしは海のない土地で生まれ育ち、慣れていないためか、海がすこし怖い。子供の頃は年に一回海水浴に連れて行ってもらったけど、大人になって行った海水浴では、怖くてあまり深くまで泳いでいけなかった。海のそばで育った人はどんな感覚をもっているんだろう。

2017/01/09

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