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アルカロイド・ラヴァーズ

アルカロイド・ラヴァーズ

アルカロイド・ラヴァーズ

作家
星野智幸
出版社
新潮社
発売日
2005-01-26
ISBN
9784104372027
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アルカロイド・ラヴァーズ / 感想・レビュー

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あつひめ

植物のあの小さな種の中に潜む生命力、それが残酷であり無垢であり永遠であり暴力的なものなのかもしれない。自分の子孫を残すために他の植物の生命力を脅かすほどの力を隠し持っている。そんな植物の力の陰で繰り返し繰り返し、いつ途切れるともわからないものに縛り付けられている。それが不安でもあり安心でもあり。夢か現かわからなくなりそうな世界。読んでいても時々立ち止まって置いてきぼりになってしまった。でもそれが不快じゃない・・・不思議な読後感でもある。

2011/07/03

Roy

★★★★★ 植物毒アルカロイドによって濃密な幻覚を見させられた。どこかふわふわとさせながらも決して軽くは無い、重石をつけられて海に沈められたかのような幻覚。沈められた海の底で、どこまでも広がる草原や咲き揺れるランプの花、オブジェのような骸骨の木、九人のカミガミが入り乱れまさぐり合う姿を見る。そこは「楽園=パラディソ」と呼ばれ、表面を美しい姿で覆い隠されているのだが、中を覗くと恐ろしいまでの狂気が漂っていた。

2009/04/28

ミツ

ランプの花とステンドグラスの草が生い茂り、むせかえるように濃密な匂いの香る楽園(パラディソ)。時間も性も死すらも越えたその世界で、ただひたすら乱交と虐殺に耽る9の人とも植物ともつかないものたち。そして美しくも残酷で、しかし全てが溶け合ったように愛に満ちたその楽園を追われ、地に堕ちた恋人たち。幻想と現実、サキコと咲子、2つの情景が交互に描かれ、読んでいるうちはその落差や両者を繋ぐ構造が明かされず多少戸惑うが、最後まで読み通せば納得が行く。登場人物への共感というよりは作品構造や神話的世界観を楽しむ作品。

2011/06/02

yoshi

かなり独特な世界観。おどろおどろしくも官能的で甘美な世界。罰が喜びで、喜びが罰なのか。痛みと愛撫が混在となった愛し方。現実と非現実の境界が曖昧で段々訳がわからなくなる。読んでいても心地良いのか悪いのかすら判然としない。まるで幻を見たかのような読後感でした。

2019/03/31

gokuri

何ともいえない奇妙な世界のホラーともいべき小説? かなりよみにくこともあり、自分がどこまで読んだかわからなくなりつつ、ようやく最後のページにたどりついた。かつての村上龍の小説のようだ。

2016/02/05

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