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けさくしゃ

けさくしゃ

けさくしゃ

作家
畠中恵
出版社
新潮社
発売日
2012-11-22
ISBN
9784104507177
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けさくしゃ / 感想・レビュー

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ひめありす@灯れ松明の火

彦さんは食禄二百俵、御家人の一人息子でお気楽泰平楽なお殿様。文武の文ばっかりを愛して漢籍歌舞伎浄瑠璃何でもどんとこい。その分刀はからっきしだけれど、らぶらぶすいーとはにーな勝子様と今日も二人戯作に勤しみます。そんな二人を取り囲むのは、すぴんおふ希望の中間さん、ごーすとらいたーな直子さま、諸悪の根源山青堂。今とちょっぴり違う出版事情、宵越しの金は持たず、物語は一人だけの物じゃなくて皆で共有する物。重版は今も昔も作家の誉、今より怖ーい絶版事情。それでも書かなくちゃ生きていけないのは、今も昔も変わらぬ作家の魂。

2013/12/30

くりきんとん99

畠中さんらしいテイストの物語。江戸時代の本作りのことや、その背景のことがとても分かりやすく書かれ、戯作者となっていく種彦と一緒に勉強するような感じで楽しむことができた。そして章ごとに起きる事件は些細なものから大きなものまで。途中ハラハラもさせられたけど、面白かった。・・・種彦って実在してたんだ。

2012/12/15

紫 綺

けさくしゃ=戯作者~江戸時代の作家のこと。実際の事件を、作家ならどう描くかという想像力で解決していくミステリー仕立て。そうそう上手くはいかないだろうとは思うが、版元(出版社)山青堂との掛け合いが、軽妙で面白い。話を書くのが命より大事!という主人公の一貫したポリシーがいい。

2013/05/19

文庫フリーク@灯れ松明の火

森美夏さんの描く扇子片手の粋なお武家さま。この表紙ほど主人公・種彦が粋で魅力的だったなら・・。私的にはかなり勿体ない感じでした。一つの事件の謎を、戯作者が物語をあれこれ創作する形で真実に迫り、解き明かして行く手法は新たな試みとして評価したいです。また、江戸の出版事情‐例えば「絶版」は在庫処分と版木(字や挿し絵を細かく彫り、本を刷れる状態にした木の板)の破壊を意味した等、初めて知る知識も多く、その意味では収穫でした。但し物語の途中で入る豆知識が「重版とは、いわゆるパクリ、つまり海賊版の事だったんだ!」→続く

2013/02/02

ドナルド@灯れ松明の火

畠中さんの本なのに、結構「読みで」があった。これはいいところに着目したと思う。けさくしゃの目で色々な事件(と言えないものもあるが)を戯作を通して推量し調査で解いていく。しゃばけやまんまことのシリーズとはまた異なる趣であり、かなり好みである。種彦という腕っぷしは弱いし、出世に全く興味がない小普請の武士が戯作にはまるというシチュエーションがいい。これ単発みたいで残念である。こういう作品も書けるということは時代物のスパンが広がったのであろう。お薦め。

2013/11/05

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