たぶんねこ しゃばけシリーズ 12
たぶんねこ しゃばけシリーズ 12 / 感想・レビュー
文庫フリーク@灯れ松明の火
今宵は趣向を変えまして、落語家風に。前座噺にお付き合い頂ければ幸いにございます。さて、筋金入りの病弱若だんな「役立たずならば消えてもいいというのなら、誰より私が真っ先に、消えてしまいそうだ」いやいや鳴家の言う通り「きゅい、月丸と若だんな、違う。似てない」ですねぇ。幼なじみの栄吉が本気で叱った小僧の梅五郎も然り。家族に食事を作るのも、お仕事も、相手の喜ぶ顔が嬉しいからじゃございませんかねぇ。毎日期待するのも何ですが、滅多に無いから「有り難い」だから生きる張りにも、やり甲斐にもなるってもんで。分を知り、→
2014/03/17
紫 綺
やはり「しゃばけシリーズ」は短編の方が面白い。若だんなの成長が垣間見え、少々安心の満足の一冊だった。若だんな、有能なカウンセラーになれるのではないだろうか。特に「みどりのたま」がお気に入り♪
2014/04/09
ちはや@灯れ松明の火
誰もがなりたいものになれるとは限らない。寄せられる心配に、掛けてしまう迷惑に、もどかしさと不甲斐なさを感じながら、それでも己のことは自分自身で決めたいと願う。この手で初めて稼いだ四文銭は黄金よりも眩しく、もつれ絡まりあう縁の糸に疲れながらも心は躍る。なれる、かもしれない。ひたすらに夢を追う友の背中は遠く、望み通りに生きられずじまいの幽霊は消えそうに儚い。なれない、かもしれない。思い出せない面影、帰れない居場所、大切と思えるもののために生きていきたいと希う。大丈夫、いつかはなりたい何かになれるはず、多分。
2013/09/26
myunclek
妖の活躍よりも、頑張る若旦那の姿が目立ちましたね。少々痛々しさも感じましたが(笑) 何故か読むのに時間がかかりました。忙しさのせいばかりでは無かったかも。シリーズもここまで来ると、行き詰まり感が漂います。寂しいけれど何かパッと新しい展開ではじけて、そろそろ「終わり」。にした方が良いかもって思ったりもして…。
2014/05/25
nyanco
もう12冊目にもなるのですね。お屋敷の中に住む妖かしだけでは、マンネリになってしまうので、少し目線を外に向けた作品になっているように感じました。まず冒頭の「跡取り三人」、大店の跡取り息子たちと稼ぎの競い合いをすることになり、若旦那もお屋敷を出ることに。若旦那が誰の手助けも借りずにお金を稼ぐなんて大丈夫?他の二人から出遅れた若旦那でしたが、性格と育ちの良さを前面に押し出し、安くではなく、上品に一時の贅沢を味わう為に敢えてちょっと割高…という菓子売りの商売を思いつく。このエピソードは面白かったです。続→
2013/08/06
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