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デンデラ

デンデラ

デンデラ

作家
佐藤友哉
出版社
新潮社
発売日
2009-06-01
ISBN
9784104525034
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デンデラ / 感想・レビュー

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しんたろー

読友さんのレビューにつられ佐藤友哉さん初読み。地の文が語り部口調なのが馴染めず、途中まで苦戦し時間がかかったが、市原悦子さんのナレーションを想定したらサクサク進みだした(笑)。山に捨てられた老女たちの生き様を通し、生死の意味を考えさせられながら、熊との死闘によるアクションや仲間内の裏切りサスペンス要素で楽しめた。何よりも老女たちの逞しさが圧倒的で「幾つになっても女性には敵わないなぁ」と感心する。「姥捨て」があった時代は、これが現実だったのだろうと思わされるリアリティもある。映画化した作品も観てみたい♬

2021/03/29

とら

詰まる所この物語にハッピーエンドなどないのだろう。『村』を襲って終わるか『デンデラ』で飢えに苦しみながら暮らすしかないのだから。自分の恨み妬みで生きている様なもの。でもそれをも、熊が破壊する。ならば何の為に生きているのか。それは、生きたいからだと思う。『村』の決まりで理不尽に捨てられ、納得する人はいない。斉藤カユであっても。最後くらい充実して幸せに大団円を迎えたい、その一心なんだ。これは佐藤友哉さんが好きなのと登場人物が老人だけという設定に惹かれて読んだけど、裏切らなかったなあ。きっと極楽浄土にいけたよ。

2012/01/13

みえ

人食い熊が出てくる本で有名そうなので読んでみた。 姥捨て山に捨てられた老婆達が、村人に隠れて住んでいる所に、人食い熊が現れた。それに立ち向かう老婆達。そんなアホな~と思いつつ、読んでしまった。文章はうまいな~と思った。今後読んでみたい作家さん。 過去に映画化もされてるようで、映像になったらどんな感じになるんだろう?と気になる。

2018/04/23

kariya

老婆50人と熊とのバトロワ設定がまず凄まじい。70を迎えた老人は山へ遺棄する習わしを持つ村で、置き去られ死を覚悟したカユが目覚めたのは、『お山参り』を終えた筈の老婆達が暮らす村「デンデラ」だった。村への襲撃を計る者、密やかに暮らしたい者、それぞれの思惑が呼ぶ確執と、飢えた羆との闘いの結末は。ですます調を用いた寓話的文体は、やがて弱々しくも必死で生きて死んでいく老婆達への敬意とも見えてくる。すんなりと情景が目に浮かぶ最後の場面は、思いがけず清冽で美しい。尊厳とは、きっと自ら勝ち取るものなのだ。

2009/09/06

MINA

BS若林くんの番組より。凄いラストだった。最初、要は70になり山に捨てられた老婆たちが自分たちでデンデラという村をつくり襲い来る羆と戦う話が延々と続く感じで何度も読むのを諦めかけた。姥捨て山がモチーフ?窮地でも通じるような、生きる姿勢や覚悟など考えさせられた。数人が新しく秩序を作り生き残る上での内部闘争、グループ分裂、未知への恐怖とかは彼らが少年なら物珍しくもないけれども全員老婆ということに面白さがあるんだろうな。まぁでも極楽浄土を無心に信じて死ねる筈が自ら望まず助けられ生かされるって確かに複雑かも…。

2016/06/23

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