警官の血 上巻
警官の血 上巻 / 感想・レビュー
おしゃべりメガネ
’08年度の『このミス』1位作品です。上下巻合わせるとたいそうなボリュームに、たじろぎますが読み始めたら、そのボリューム感が嘘と思えるくらい、どんどん読み進めてしまいます。もともと佐々木譲さんの作風は会話が多く、非常に読みやすいと思います。そういったことからも、読むストレスを感じることなく、親子(孫)三代にわたる警官物語の壮大なクロニクルは読む者を圧倒してくれます。個人的には精神を病んでいく父の話が好きで、あのヒリヒリした雰囲気は他の作品では、なかなか味わえないと思います。佐々木譲さんに屈してください!
2009/08/18
そのぼん
壮大なストーリーでした。戦後日本の歴史と供に、警察官の男性の人生が描かれていました。第一部では戦後間もない時期に警官になった男性が主人公で、第二部はその息子が主人公になっていました。続きが気になるところです。
2013/08/03
紫 綺
文庫本にて読了。戦後闇市から現代まで、時代の翳を描く警察小説。因縁の親子二代、関わった未解決殺人自警団はどうなるのか?下巻へ。
2023/10/29
藤枝梅安
舞台は戦後間もない東京の下町。 安城清二は上野警察署から警察官としての人生をスタートさせる。 戦後の混乱期を生き抜く人々の姿。その中で繰り広げられる様々な犯罪。 谷中・天王寺駐在所勤務となった清二は妻と二人の子どもたちとともに充実した生活を送っていた。 万引き常習犯の工藤という少年とその父親を厳しく叱咤し立ち直らせる。 それを幼い息子・民雄駐在所の奥から見ていた。 ◆昭和32年7月。駐在所に隣接する天王寺から火が出た。 清二は燃えさかる炎の中に消えたかと思われた。
2010/11/12
クリママ
東京、上野のあたり。戦後すぐ、生活のために警察官になった。地域の人たちのためにと、駐在所勤務を希望する。希望がかなったものの、隣の五重塔の火事。その息子も、警ら警官を目指すが、与えられた任務は、思いもよらぬは過酷なものだった。淡々とした文章で描かれた情景、事件に、その当時の様子が偲ばれる。警官を描くのにとても合った文体だ。ボリュームのある上下巻には思わず後ずさってしまいそうだったが、読みやすくページがはかどる。単に、代々警官になることではなさそうな、警官の血とは…
2017/06/14
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