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籠の鸚鵡

籠の鸚鵡

籠の鸚鵡

作家
辻原登
出版社
新潮社
発売日
2016-09-30
ISBN
9784104563067
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籠の鸚鵡 / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

辻原登は芥川賞をはじめ数々の純文学系の文学賞を受賞した作家なのだが、この作品ではエンターテインメント小説寄りのスタイルをとっている。登場人物たちも、すべからく現世の欲にまみれており、人格的な向上心などといったものとは無縁である。和歌山の地、血と暴力、性といえば中上健次を連想するが、その意味で辻原はその中上の後継者である。小説は一貫して緊張感を失わないものの、空中分解していくような終わり方をする最後は、いささか求心力に欠けるように思う。もっとも、それ故にこそ純文学の領域にとどまっているのかもしれないが。

2023/07/12

KAZOO

辻原さんがまた新しい分野の小説を書き始めたと言う感じでした。純文学からこのような、バブル時代のような話を書いていて、人間の欲望と補陀落渡海伝説を結び付けた感じがします。公金横領ややくざの抗争、セックスにおぼれる人間などをうまく描いていて笑ってしまいました。

2017/01/23

のぶ

1980年代から始まるヤクザ抗争が主人公、梶を中心とした登場人物で語られていく、骨太なクライムノベル。ストーリーは一本道で他の要素が絡むことはほとんどないので、単調で読みやすい。当時の史実が実名で語られていて、合わせてその時代の世相が描かれていく。当時の世相はノスタルジックな気分になるが、暴力団抗争が話の根幹になっているので、そんな話に自分は全く興味がなく、サイドストーリーを楽しんだ程度。後半は熊野を中心としたロードノベルとしても面白く読み悪い作品ではないが、登場人物に共感できるものはあまりなかった。

2017/01/12

ちょき

最初は昭和レトロな情愛作品かと思ったが途中から一転、任侠の世界が展開されていき全く違う作品になった。終盤はヤクザと詐欺師と純愛真面目騙され男とテンネン女の様々な思惑がもつれあっていく。1番悪人は誰なのだろうか?。表層は浅いが、実はかなり深みを含んだ作品。

2016/10/03

おさむ

和歌山が舞台のクライムノベル。芥川賞作家の割にはハードボイルドな内容でした。

2016/10/11

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