イノセント
イノセント / 感想・レビュー
山猫
あー、心がささくれ立ってる時にこの本を読んじゃいけなかったんだな。大昔のラジオ番組「西田敏行のパロディカルナイト・音声多重放送『本音と建前』」が文字になった感あり。
2019/02/13
myunclek
「こんな私でよかったら…」が、中村うさぎの初読みだったからある意味、驚き。リアルな人語りで、一人の風俗嬢の死の真相を解き明かす。しかし、主題がそんな所に無いのがこの物語の怖さだ。救われない…。
2016/10/28
Viola
びっくりした。装丁や、ソープ嬢、ホステスといったタイトルから、彼女らしい軽い風俗小説かと思ったら、人間の原罪を問い、その贖いとして犠牲になったキリストを強く意識した、完全な信仰の小説となっていた。佐藤優氏が、彼女の著作を読んで絶対クリスチャンだと思った理由がわかる。風俗業も体験したうさぎさんの行動は、破天荒で当時は眉をひそめていたけど、この作品読むと、信仰生活と俗世間との違和感に葛藤している、複雑な胸の内を垣間見た気がする。ある風俗嬢の死をインタビューで構成、湊かなえの「白雪姫殺人事件」に似てる。
2014/07/21
きたくり
後半、真相に近づくにつれて息もつかせぬ迫力が出てきて、読後感はどこかもの悲しい・・・。イノセントとは何か、その結論も深かった。始めは軽いノリで読もうと思ってたら次第に人間の深淵みたいな所にたどり着く・・・って、うさぎさんの小説にはけっこうあります。スゴイです。
2014/05/29
佐伯りょう
ソープ嬢がなぜ恋人のマンションの前で焼身自殺をしたのか…。彼女は何を思って日々を生きていたのか…。父親がその理由を探していく物語ですが、最後まで目が離せない展開でした。色々な角度から登場する人たちの人物像が語られ、その印象が二転三転するので引き込まれます。エッセイを読んでいても思うのですが、中村さんはものすごくクレバーな人だなと、いつも感じます。狡さや弱さなどの、どうしようない人間の負の部分がスーっと見える人なのだろうなと。ラスト、物語に対する自己解説のような感じがしたのもその頭のよさ故なのでしょうか。絡
2011/03/30
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