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キミトピア

キミトピア

キミトピア

作家
舞城王太郎
出版社
新潮社
発売日
2013-01-31
ISBN
9784104580064
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キミトピア / 感想・レビュー

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yoshida

舞城王太郎さんの短編集。どの作品もオリジナリティあり読ませる。「やさしナリン」の夫兄妹の欠落部分のやるせなさ。そして舞城作品で夫婦の真理を見るとは思わず驚愕。「添木添太郎」は舞城さんらしい世界観。まさかのいないいない。「すっとこどっこいしょ」も予想しない世界へ連れて行ってくれる。「美味しいシャワーヘッド」が個人的には最も好み。不思議な事件の中に見つける人間の真理。もしくは誰にも近い経験がある感情。舞城王太郎さんの世界観と、広い読者にも受け入れやすい要素が相まって絶妙な余韻を残す。未読の作品を早く読もう。

2019/07/21

いいほんさがそ@蔵書の再整理中【0.00%完了】

図書館**ワルツみたいな小説(褒め言葉)**二人のYOUTOPIAを信じてる!あなたが見せるその「優しさ」ってなんか違くない?夫が分泌するものに妻は名前をつける『やさしナリン』を始め、エンジン全開な舞城ワールドは、今日も読者そっちのけです(笑)!――爆笑!爽やかな本の表紙、爽やかな文体…しかし、内容は爽やかに愛を語り合っている様に見せかけて、予想の斜め上をカッ飛んでました!これからも綺麗なフィナーレ無用!ゴーイングマイウェイで居て欲しい!起承転、起承転、起承転・・・とワルツみたいな文体がクセになる!良書!

2013/06/21

けい

舞城さんの作品は初読み。日常の延長線上にある不思議な事柄を独特の世界観で強調して描いている。ただ内面の描写は深く、えぐい。誰もの心に潜む小さな闇をとらえ、それを描くための舞台として、独特でひねった舞台設定を用意している。 非現実的な世界の中で、心理描写は現実感たっぷり。7編の短編だがどの作品も面白く読めた。

2013/03/28

ミツ

“『ユートピア』を何となく『YOUTOPIA』だと思い込んでいて、”という序文から始まる、優しくて穏やかでハートフルな七つの短編。夫や妻や、高校生に小学生まで、語り手は多様ながら、著者の持ち味である物語の派手さや疾走感は本作では抑えられている。むしろ家族や友人、恋人たちといった間柄の、ささやかだけれどしかし根の深い問題に、向き合い解決せんとする思考の積み重ねに重きが置かれており、それらの思考は言葉となり、私たちの心に降り注ぎ、深々と積ってゆく。そっと静かに寄り添われているような、あたたかな作品だった。

2015/01/14

はま

短編七篇が全部ちょうど良いボリュームで読みやすい。初めての舞城王太郎にもってこいな感じ。心の穴がメインのテーマなのかな?しょっぱな「やさしナリン」の奥様が、あの「あうだうだう」の作者設定で早速ニヤリ。「すっとこどっこいしょ」の『ニンニン』とかで盛大に噴き出しつつも、全編通してなんだか深い。人生には気をつけようのない落とし穴がいっぱいあるのかも知れないねぇ。自分的には「ぶらぶら」が旦那目線だと物凄く恐怖。「シャワーヘッド」はよくわかんなかったよ。嫌いじゃないけど。

2013/10/26

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