九月の四分の一
九月の四分の一 / 感想・レビュー
おしゃべりメガネ
【追悼~大崎善生】何冊かある作者さんの短編集の中でも、ある意味印象的な一冊かなと。決して悪い意味ではなく、他の短編集の作品はさらさらと読めてしまい、ちょっと印象が薄い話でしたが、本作は改めて読み直すとこんなにステキな話ばかりだったんだなとなりました。個人的にはレッド・ツェッペリンのコピーバンドの話がすごく好きですね。どの話も時の流れ、空白をとてもキレイに綴っています。大崎さんの作品、とにかく40代の男性が多いからか、やっぱり親近感わいて読んでしまいますね。海外の描写も自分がそこにいるみたいになれます。
2024/08/12
おかむー
それほど嫌な感じはないけれど、かなり“セカイのハルキムラカミ”っぽいなと思ったら著者自身が村上チルドレンを自称してるのね。『もうすこしです』。四十過ぎても自分探し中な4人の男の一人称で語られるブンガク臭の色濃い短篇集。「報われざるエリシオのために」「ケンジントンに捧げる花束」「悲しくて翼もなくて」「九月の四分の一」各話のタイトルは好みな響き。「報われざる」と「九月」はムラカミ臭が強くてちょっと苦手。「ケンジントン」はまずまず、「悲しくて」がタイトル含めて一番合う感触だったかな。
2015/07/26
あつひめ
まずは表紙の景色が気に入った。時が止っているのかそれとも遡っているのか・・・どちらだと思う?と試されているような景色。思い出の中にいる自分、そして相手・・・。手で触れることはなくても記憶の中に刻まれたものは消す事ができない。思い出を認めろ!!と訴えているような気がした。三笠竜が登場するとは思ってもいなくて、やはり地元を舞台にしてもらえるとすごく身近に感じて私もウォーーーと叫びたくなってしまった。九月四日の駅・・・素敵な名前があるんだなぁ・・・ロマンチックだなぁと行った事が無いパリの景色を思い浮かべた。
2011/02/19
スノーシェルター
村上春樹?と思った。なんとなく似てる。どの話も静かに切なく流れていく感じ。繊細な男の人達の話。
2013/09/11
ぽぽ
タイトル借り。四編からなる短編集だが、どれも人生の岐路に立った男の旅行記。全てが一人称の似てる主人公だからだろうか、エッセイっぽく感じた。翻訳のような文章がお洒落すぎて少しムズムズ。私にはちょっと大人すぎたかな。でも2話目の「ケンジントンに捧げる花束」は爽やかで好き。キリン通貨のくだりがお気に入り。
2014/09/16
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