あのころの未来: 星新一の預言
あのころの未来: 星新一の預言 / 感想・レビュー
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星新一の作品を絡んだ話題で、最相葉月さんがサンデー毎日に2001年11月から1年間連載した50編のエッセイを大幅に加筆修正したもの。1960年~80年代の星新一の作品に未来を先取りしたこんな話題が書き込まれていたのかと改めて驚くとともに、21世紀初頭に最相さんが注目し批判的に考察していたことの鋭さに感心する。私が星新一で出会ったのは1976年、大学1年の夏休み蓄膿症の手術で入院中に後輩がお見舞いにもってきてくれた新潮文庫「ボッコちゃん」。その後発売されていた文庫をすべて購入し読み漁ったことが懐かしい。
2015/10/06
仮面堂
2003年発行。更に「その先」である今読むと過去を振り返る形になるのがオモシロイ。それでも、星新一の作品は古びない。また読みたくなりました。「なんか変だと思う時間の積み重ねがいつしかいい方向に進ませることもあるのではないか。そう思う時間を失うことのほうがもっとこわい。」「しかし、ここで感情に留まっていてはいけない。感情が相対化されたあとにくるものへの想像力を鍛えなくてはならない。」
2015/09/15
椎茸どんこ
「母の最終講義」で知った作家さん。読みやすい文体に、過去の作品を読んでみました。題名のとおり、星の小説に出てくる題材(星は時代を感じさせる表現はしなかったので、過去か未来かはわからないそう)に引き合いに今起こっている出来事への思いを綴っていくエッセイでした。 作家さんのテーマでもあり、造形や想いが深かったからか、人工授精やクローンといったテーマには考えさせられるものがありました。 それにしてもこの作品も書かれてから20年以上経っているのに、2024年の今でも通ずる話題に驚きです。
2024/09/18
生活相談屋
最相葉月さんの科学エッセイ。星新一の預言という副題がついているから星新一の評伝かなと思ったが、さにあらず。星新一の短編をちりばめながら、現代の科学の話題を取り上げて短いエッセイに仕上げている。星新一は本好き少年少女なら皆一度はハマったのではないだろうか。とにかく無条件に面白い。聞くと今の中学生にも人気らしい。なんだろうな、あの独特の世界。一度ハマると抜け出せない面白さは、まさに読書の悦楽に満ちていたような気がする。
2016/10/30
うどん
SNSでふと最相さんの名前を見つけた。キッパリとした文章、明確な意図が好きであのころの未来を読了。星新一のショートショートは幼い頃に読んでから再読していないが、早くもう一度手にしたいと思わせてくれる。
2022/08/27
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