星新一 一〇〇一話をつくった人
星新一 一〇〇一話をつくった人 / 感想・レビュー
遥かなる想い
第29回(2007年)講談社ノンフィクション賞。 ショートショートの名手 星新一の生涯を 追った作品である。 森鴎外の孫であり、星製薬の御曹司として 生まれ、1001編の作品を書いた男の生涯は 波乱万丈で…父 星 一の人生も 含め、日本の先人たちの生き様が窺える。 時折 登場する 著名な作家たちとの兼ね合いも、面白い。 SFに対する 文壇の微妙な感覚も よく 描かれ、興味深い仕上がりになっている、 そんな本だった。
2018/11/25
kawa
「ショートショートの神様」と称されるSF作家・星新一氏の評伝。父の経営する上場製薬会社二代目として挫折。黎明期の日本SF文学界の中心作家への転身。文学界からの批判と偏見にみまわれる氏とSF文学界。労多いショートショート執筆で有数の売れっ子作家になりながら文学賞とは無縁な孤高の立場と葛藤。老いと戦いながらの生涯1001作に挑む苦悩。そして不治の病に取りつかれる晩年。氏の一見「ひょうひょう」とした性格の影での、人間的な苦悩が興味深くも600頁弱の長尺な労作を飽きずに読了。
2022/12/22
山田太郎
再読。なんかいまいち期待外れな印象あったけど、読み直したらえらく面白い。SFの歴史となると必ず出てくる福島正実さんですが、よく書かれることはありませんというか悪役イメージ。柏木省三みたいなもんなのかと、自分的には。よく調べてあるというかあんまり関係ないようなことまで書き込んであるほうが好みなので、たいへん良かったです。
2019/05/08
GaGa
作家の人生を知る事は時に辛いものである。この本も色々と知らなければ良かったのにと思えることを伝えてくれた。星さん、あなたの作品はいつまでも読み継がれますよ。きっと。コチコチ言う時計だって今もありますから。
2010/06/10
ひさか
綿密な調査に裏付けられた、力作です。 しかし、評伝内容が、怖い方へ寄りすぎているように思いました。 前人未到、たった一人の世界は厳しさ一杯だったのでしょうが、もう少し、プラスの視点があっても良かったのにと思います。
2012/06/16
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