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セラピスト

セラピスト

セラピスト

作家
最相葉月
出版社
新潮社
発売日
2014-01-31
ISBN
9784104598038
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セラピスト / 感想・レビュー

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Nobu A

HONZ推薦本。最相葉月著書初読。14年刊行。読書の醍醐味は多種多様な生き方や考えに触れられること。社会を支える職業の一つ、セラピストが何なのかを知り得たのは貴重。僅かなりとも。筆者自身も双極性障害を患い、カウンセリングを受けた経験からルポを執筆した経緯に物書きの矜持を感じる。恐れ入る。言語化したい好奇心とそれを成就出来るだけの斐然成章。そして、対極にある沈黙にも意味があること。それと真摯に向き合い日々格闘するセラビストには頭が下がる。まあ、人と接する仕事は多かれ少なかれ寄り添うことが肝要。示唆に富む。

2023/05/12

佳音

セラピストに対して、興味のある人は多いはずだ。その実際について垣間見られる本である。面白かった。が、正直心理学の予備知識がないと分かりにくい場面も多々ある。専門用語など極力排する努力を著者がされていてもだ。それでも私が惹かれた点が二点ある。中途失明した女性が箱庭療法によって、気持ちを変化させていく章が胸を打つ。そして、最相さんが療法によって介護や仕事上の苦悩など秘めていた心象を読者に投げ出し、心の内を調えていくことによって様々な療法の有効性を伝えていく点である。

2014/08/15

キムチ

読後感としては、当初の予測を裏切り、小説ではないがノンフィクション、ルポルタージュでもない。最終章のカミングアウトからしても筆者の評論的エッセー、しかもかなり等身大で生身の息遣いが濃い。従い、評価や好みが大きく分かれるだろう。河合隼雄・中井久夫2人を柱とし、箱庭療法の変遷を筆者の足と耳と目と頭でかなり主観的に述べている。そうでなくとも微妙、難解な心理学の世界。自ら学んだとあるがかなり呻吟したのでは。その意義はあえて問わず、興味深く読ませて戴いた。心理学の今日的問題は発達障害の急増。説明の個所も面白い。

2014/05/17

Tui

自分を知るということを突き詰めた涯てにあるものが、ここに書かれています。心を病むとは?心を“治す”とは?その臨床の歴史を、著者はさまざまなセラピストとの対話や療法から紐解きます。同時に、いちクライエントとして、自分自身とも覚悟を決め向き合います。心との関わりをこの双方の視点から文章化する作業の過酷さが行間から溢れ出てくるようで、とてもエネルギーのいる読書でした。心の病も、それに関わるセラピストも、時代の影響を受けざるを得ません。せめて、ゆったりとした関わりを持てる臨床が失われないことを切に願うばかりです。

2015/02/19

パフちゃん@かのん変更

小説だと思って予約したら、ノンフィクションでした。カウンセリング、興味はあるけれどなにやら胡散臭い。臨床心理士はちゃんとした資格だが、そうではないカウンセラーも多い。高学歴の臨床心理士も就職先が少なく安定した職ではない。それでも人気があるカウンセラー。実際効果はあるのか。箱庭療法だの風景構成法だのバウムテストだの効果があるのかいまいちわからない。「ひたすら耳を傾けて聴くという態度をとれば、クライエントが自分の力で治っていく」まあそういう患者もいるでしょうね。最近多い発達障害の患者には難しいと思う。

2017/01/28

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