辰巳八景
辰巳八景 / 感想・レビュー
やむやむ
辰巳のタイトルから辰巳(深川)芸者ものかと思っていたがさにあらず。深川に住む八人の職種と年代も性別も違う市井の町人の淡い恋や商いに励んだ人生の喜怒哀楽をしっとりと切り出している。個人的には往年のラジオの名作「君の名は」や落語「ハワイの雪」を思い出すような「やぐら下の夕照」が殊に心に響いた。
2019/03/22
半べえ (やればできる子)
★★★
2010/03/01
どら母 学校図書館を考える
一話、一話に、長い深い人生がある。歴史がある。
2011/01/29
藤枝梅安
特に印象深かったのは「やぐら下の夕照」。飛脚宿・遠藤屋の主・良三は十五の時、父・亮吉に問われて出したひとつの案があった。減り続けている飛脚への依頼を取り戻す方策だった。くじ引きで選ばれた六十名の若者が五年間、月に2度までくじで定められた相手に手紙を無料で届けてもらえる、という案である。このくじに、良三も応募し、当選した。手紙の相手は弘衛という、男のような名前を持つ娘だった。月に二度、見たこともない相手に手紙を書くことは、当時の若者にはどれほどの緊張と喜びを与えたのだろうか。
2009/09/11
沼田のに
江戸時代の見ず知らずの少年少女が近くに住んでて、文通するかねえ?しかし江戸庶民の人情話を書くにしては、そのそれぞれの生業の細かな描写で恐れ入りました。6/10
2013/12/04
感想・レビューをもっと見る