KADOKAWA Group

Facebook X(旧Twitter) LINE はてブ Instagram Pinterest

十兵衛両断

十兵衛両断

十兵衛両断

作家
荒山徹
出版社
新潮社
発売日
2003-06-01
ISBN
9784104607013
amazonで購入する

十兵衛両断 / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

よっちゃん

めちゃくちゃに面白い伝奇小説が登場した。「朝鮮は古より文を尊ぶ国柄。剣術の如き野蛮なるもの、絶えて我が国に存在せし例はござらぬ」よって妖術ノッカラノウムにより柳生十兵衛の肉体と剣技を奪いその指導のもとに朝鮮国内に正統の柳生新陰流を継承する強力な暗殺部隊を養成する。 風太郎忍法の奇想天外と柴錬剣法の凄艶を五味康祐の硬質な漢文口調の文体で整える。そして著者の朝鮮歴史や文化に対する確かな認識と史実としての典拠文献の紹介がこの滅法面白い荒唐無稽活劇を大人の鑑賞にたえる本格的伝奇小説として完成させている。

2003/09/06

聖月

〇またまた面白そうな荒山作品と思って読み出した評者なのであったが、アレレである。なんだ、これって短篇じゃないか、なのである。朝鮮半島に渡った体十兵衛を追いかけて、精神十兵衛が海を渡る。さて、どんな死闘が朝鮮半島で繰り広げられるのかとワクワクしながら読んでいると、二人ともすぐに日本へ戻ってくるので、朝鮮半島での冒険譚の描写は無しなのである。短篇という枠の中で、荒山徹の紡ぎ出すべき奇想が封じられているのである。面白い話の短編集となる代わりに、面白そうな話の断片集を読まされたような感じなのである。

2003/10/30

感想・レビューをもっと見る