雷の波涛: 満州国演義 7
雷の波涛: 満州国演義 7 / 感想・レビュー
藤枝梅安
物語はいよいよ1941年。長かった。難しかった1冊。戦争に突入していった日本の有り様を、満州からの視点で描き、歴史が繰り返されないために我々が何を考えどう行動すべきかを厳しく訴えてくる。 次郎と三郎は南に向かい、シンガポール陥落を目の当たりにする。日本の首脳の名前、英米の首脳の名前が次々に出てくる中で、朴正煕、アウン・サンの名にも注目したい。朴正煕の長女は現大統領。アウンサンの長女は国民民主連盟中央執行委員会議長。立場は違えど、独立運動の旗手として活躍した2人。さらにホーチミンの名も。
2013/02/10
いくら
とうとう第二次世界大戦、そして太平洋戦争へと突き進む。日本がアメリカとの開戦に踏み切った経緯がよく分かる。ただ近衛内閣から東条内閣となるのが唐突に思えた。でもそれだけのインパクトだったのだろうと当時の渦中にいた人間の視点で改めて見ることができた。太郎は破滅に向かっている。次郎は無聊をきめてるけど一貫した主義を崩さずこのままいくのだろう。三郎の未来は辛いものになるだろうが、軍人として貫いていくと思われる。一番予測不能なのは四郎だけど、今回は強さの片鱗が垣間見えた。大きく化けるのか、相変わらずで終わるのか。
2014/05/18
0717
とうとう大東亜戦争開戦へ。真珠湾攻撃、マレー半島上陸、シンガポール陥落まで。太郎は何をやっているのか、外務官僚への皮肉のつもりなのかな? かつての緑林の徒、次郎は上海から流れて香港、マレー半島へ、中野学校出身者と行動を共にする密林の徒へ。三郎も憲兵大尉としてマレー半島上陸戦を監視する。満州の四郎は思うように映画が進まず、煩悶する日々が・・・。ここから敷島四兄弟には過酷な人生が待っているんだろうな。
2015/08/14
KAZOO
7巻ともなると満州国というよりも中国や日本の世界大戦への参画によって、活動の場所が広がってきます。シンガポールなども舞台になり二郎がさらに自由な立場で活躍していく様子もうかがえます。四郎も徐々に強くなっていくのでしょうか?あと2巻で終了ですがどこで終わらせるのでしょうか?
2014/07/06
NAO
敷島四兄弟につきまとう不気味な存在である関東軍特務の間垣徳蔵が、ここにきてただの戦争バカではなかったことが判明。ところが、太郎は、国のために何かを画策したいという徳蔵の協力要請を跳ね除け、窮地に立たされた夫を三郎の口添えで助けてほしいという隣人の妻の懇願を無視し、相変わらず情事に耽っている。きっと彼は、今後、強烈なしっぺ返しを食らうに違いない。満州を後にした次郎は、植民地であることから独立しようとすると東南アジア諸国の革命軍と日本軍とのつなぎ役として動き始める。
2015/07/25
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