KADOKAWA Group

Facebook X(旧Twitter) LINE はてブ Instagram Pinterest

残夢の骸 満州国演義9 (満州国演義 9)

残夢の骸 満州国演義9 (満州国演義 9)

残夢の骸 満州国演義9 (満州国演義 9)

作家
船戸与一
出版社
新潮社
発売日
2015-02-20
ISBN
9784104623105
amazonで購入する

残夢の骸 満州国演義9 (満州国演義 9) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

KAZOO

船戸さんの最後の遺作となった第9巻ですがよく最後まで癌の病をおして書き終えてくれたと思います。満州事変から終戦になるまでを敷島兄弟という架空の人物を狂言回しにしてこれだけよく書いてくれたという感じです。船戸さんの代表作ですね。私は文庫版がすべて出版されたら再度通読してみたいと思いました。

2015/11/02

藤枝梅安

終戦。そしてその後の間垣と太郎の死、三郎の死は日本の「死」を象徴している。生き残った四郎が孤児を連れ広島を訪れる昭和21年5月で長い物語が終わった。四郎の虚脱感は、10年の歳月をかけ、多くの文献に当たり、病魔と闘いながら執筆をつづけた筆者自身の虚脱感なのだろうか。私自身が生まれた31年5月までの、多くの人々の苦労を想像することもできない自分がもどかしいが、このような小説に巡り会い、最後まで読むことができたことを筆者に感謝したい。安保法案が審議されている今、このとき、一人でも多くの人に読んでいただきたい。

2015/07/02

キムチ

最終章は重く阿鼻叫喚が散在。狂言回し役の4兄弟はフィクションながら、当然の如く気持ちが入り込み、各人の結末に心が乱れた。筆者後書きの1行が逸品・・ナポレオンの箴言らしいが「歴史とは暗黙の了解のうえに出来上がった嘘の集積」開国後の日本・・博文の近代化論VS有朋の兵営国家論、この撚り合わせがアジアの植民地化政策に連なって行く。だが僅か90年の間に木端微塵となった。その濁流の処理をどうし、どれだけの時間がかかるのか。物語の収斂されたラストに深い嘆息。筆者の書かんとしたテーマは何処にあるのかは其々の読み方だろう。

2015/03/28

いくら

船戸さんの訃報にこの作品のこの題名。これまでの八巻まで読んできて、向き合うのに、折り合いをつけるのに時間を要した。ましてや次郎なき後、本当に辛かった。歴史と小説。私にとっては抜群のバランスでした。船戸さん、ありがとうございました。

2015/08/20

starbro

足掛け8年(作者は足掛け10年)、全9巻、4,000Pついに完読しました!船戸与一にしか書けない世界観で、スタート、中盤、ラストまで凄まじい物語です。四兄弟の中では自分が真似できない敷島次郎に憬れています。司馬遼太郎が書いた傑作「坂の上の雲」(明治時代)に匹敵もしくは凌駕する激動の昭和の作品。小中学校の義務教育で「近代史」を新設するなら課題図書に推薦します。心配事は、最近寡作の船戸与一が満州国演義を書切ったことで、筆を折ってしまわないかです。最新の世界情勢を踏まえた船戸与一ならではの新作に期待しています。

2015/03/06

感想・レビューをもっと見る