KADOKAWA Group

Facebook X(旧Twitter) LINE はてブ Instagram Pinterest

東京湾景

東京湾景

東京湾景

作家
吉田修一
出版社
新潮社
発売日
2003-09-26
ISBN
9784104628018
amazonで購入する

東京湾景 / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

遥かなる想い

吉田修一が描くラブストーリー。2004年に仲間由紀恵 主演でドラマ化されたが、 原作とは大幅に違うらしい。 ネットで男女が出逢うあたり、 ひどく現代的だが、醒めた心が 恋により潤っていく様は 時代を越えたものだろう。 出会い系サイトで知り合った 美緒と亮介のメールの やりとりはひどく哀しく、今の若者の渇いた心を うまく描写している。 お互いの心をぎこちなく探りながら、近づいていく…ラブストーリーらしい物語 であり、心暖まるものだった。

2014/12/07

おしゃべりメガネ

『悪人』や『横道世之介』など、近年は映画にもなる作品が少なくない吉田さんですが、テレビドラマ化されたこちらの作品も捨てがたいステキな内容です。物語自体に特に大きな起伏はなく、淡々とした恋愛モノですが、そこにタイトルどおり、自分では観たことがないステキな情景を見事にシンクロさせて、キレいに仕上げております。ボリューム自体も初期の頃は厚くない作品が多く、どの作品もスッキリした内容な印象なので、サラッと読むには最適な作家さんかなと思います。どこか独特な静かな吉田ワールドですが、クセになってしまいますよ。

2009/04/18

ウッディ

出会い系サイトで知り合った亮介と涼子、港湾倉庫とお台場のオフィスという対照的な職場、距離は近いのに間に東京湾が横たわり、電車では時間がかかるというロケーションが暗示するような二人の心の距離は埋められたのか?久々のストレートな恋愛小説で、モノレールから二人が亮介のアパートを眺める初々しい冒頭のシーンから物語に引き込まれました。美緒という本当の名前を言えず、自分をさらけ出せない心の動きがリアルで、等身大の若者の恋愛が東京の風景とともに描かれ、懐かしく、切ない想いが蘇りました。美しい装丁も含め、お薦めです。

2019/12/17

Shinji Hyodo

『横道…』に続く吉田さん二作目。ちっ、ラブストーリーか…。何だよ、どストライクじゃん…好きだぜ、この物語…。みたいな喋り方しか出来ない主人公の亮介と、愛の形に自信が持てずに一歩踏み込めない涼子(美緒)。ケータイの出会いサイトで知り合った2人が、惹かれ合うのに今ひとつお互いを信じ切れない…このもどかしさに何故か懐かしさを感じた。もしかしたら自分もそんな恋をした事があったのか⁉︎そんな気にさせてくれる物語。最後の亮介の一言で心を決めた美緒の美しさ。お台場と品川埠頭を隔てる1Kmの東京湾。泳ぎ切れ亮介!

2015/04/14

momogaga

東京湾を舞台にした恋愛小説。もがき苦しむ二人の姿にはひりひりさせられました。トレンディドラマでよく描かれたロマンチックなストーリーとはほど遠いお話です。 しかし、最後に二人のいる場所、品川コンテナ埠頭とお台場オフィスビルの距離感が効果的に描かれていて、作者の力量が良く出ていました。

2021/03/22

感想・レビューをもっと見る