ハルモニア
ハルモニア / 感想・レビュー
ちょろんこ*勉強のため休止中
音楽関係の仕事をしている知人が「有名なオペラ歌手ほど、自分の環境や気分を大事にして、自分のイヤな事は絶対にやらない」と言っていたのを思い出しました。「そういう人でないと売れない」とも断言していたな。本書ではトンボが自分の居心地よい収まり場所を見つけられて、ある意味ハッピーエンドですね。ただこれは二人が異性だからこそ成り立ったのかも。同性同士だとモーツアルトとサリエリのような関係になっていた可能性もある気がします。『砂糖菓子哀歌』も雰囲気が独特で良かった。感覚的で胸に響きました。
2013/11/28
七色一味
読破。表紙ほどの爽やかさはないな。また、音楽が聞こえてくることもない。強い自我を持つヒロインに振り回される主人公が妙に弱々しくて、馴染めなかった。小難しい比喩とか、よくわからん「感性」なんて衣に包まれてはいるが、要は何を言いたいのかわからん物語でした。
2014/01/29
らむり
ナジャと中島さん。2人の正反対な女性が登場します。どっちかって言うと、私はナジャ派。お互いを必要とし合う男女関係はいいですね。
2013/10/25
Koning
音大の作曲科の学生の自分探しと魂の半身探しとそんな話(って、書いちゃうと味も素っ気もないな)。メシアンと言われてもやっぱりメシアンのあれやこれやを思い出しちゃうのでうーんこっから臭いを消して魂の揺らがぬ曲かぁ……等とどうでもいい隘路に嵌ったりもしつつ。何だかんだでこの短編については悪くないというか今どきのブンガクらしい読みやすさと深さがあってよかったんじゃないかと。この人の芥川受賞作は未読なんでそれも読まねばですかね。
2013/12/21
Mumiu
懐かしい日々。初めてつきあった人と休日をふたりで過ごしていた。わたしに語りかけてきているその人をよそに、ピアノ曲のあるフレーズが頭を繰り返しリフレインして離れない。きみの視線を感じてなおフレーズが響きっぱなしだ。そんなことを思い出した「ハルモニア」。トンボくんの「持たざるもの」としての矜恃が素晴らしい。ルツ子のお眼鏡に適うだけあります。同時収録「砂糖菓子」、当事者の双方が満足して迎えることのできる、「恋愛の終焉」なんて、そうあるもんじゃないよね。
2013/11/21
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