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君たちに明日はない

君たちに明日はない

君たちに明日はない

作家
垣根涼介
出版社
新潮社
発売日
2005-04-01
ISBN
9784104750016
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君たちに明日はない / 感想・レビュー

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ちはや@灯れ松明の火

仕事場で嫌なことがあっても一晩眠って朝になれば忘れちゃう、でもその明日が来なかったら、君はどうする?現代の首切り役人の手には斧の代わりに個人情報ファイル、素行不良の問題社員じゃなく真面目で有能な人材だって状況次第では会社の存続という大義名分の下あっさりと切り捨てられる。社会は底も岸も見えない海原、水面に揺れながら漂う木切れの上に立っているようなもの。しがみついたまま陸を目指すのもよし、もうちょい大きな漂流物を探して移るもよし、いっそ自力で泳ぎ出したってよし。明日が来なければ、探しに行くまでさ。

2010/04/19

オーウェン

リストラ専門のクビ切りの役職に就く真介。 その対象になっている陽子を観察するが、なぜか心惹かれていくものを感じる真介。 5話あるけれど、非常にテンポよく進むし、リストラだからといって暗い話で終わらせていない。 そのクビ切りの対応とは別に、陽子への愛情の意外な角度。 そんな交際あるのかという位に奔放な関係。 リストラされる側の視点でも描いているので、その理由も含めて楽しい仕上がり。 続編もあるので楽しみにしたい。

2021/07/11

kazu@十五夜読書会

初、垣根 涼介。『君たちに明日はないシリーズ』主人公・村上真介はリストラ専門会社のクビ切り面接官、企業に依頼されたリストラ候補者を希望退職に追い込むリストラ請負人。派遣の可愛いだけのアシスタント美代ちゃんとコンビで対象者と面接を通じ、候補者各自の人生ドラマを繰り広げる。熟女好きの真介が面接相手の8歳も年上の芹沢陽子の気の強さに、惹かれる恋模様も面白い。広告代理店に勤務していた真介自身も面接を受け、希望退職に追い込まれたのちにスカウトされた経歴がある。重いテーマを扱うが内容は軽快で明るい物語。

2013/04/22

再び読書

軽く最初を見た途端、いつの間にか引き込まれてしまった。重いリストラの宣言者という役割を仕事にしている村上。交渉事だと当たり前の下準備は首切りの理由の証拠固め、そんな役割を忠実にこなしているが、そこには人としての確かな目線を感じる。一気に読み通した読み甲斐のある本。根底に流れるプライドに真摯に向き合う姿勢に感動すら感じる。新たな垣根氏の実力を見た一冊

2012/09/01

よんよん

初読み作家さん。リストラを進める会社に転職し、スマートにクビ切りを進める真介。冷血かと思いきや、心を砕いて仕事に向かい合っている。そして、被面接者として出会った年上の陽子との付き合いも、気障だが真面目で憎めない。シリーズ物らしいので、続けて読もうかなと思う。

2017/09/14

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