プラハの憂鬱
プラハの憂鬱 / 感想・レビュー
サトシ@朝練ファイト
紳士協定のあとで読みたい。
2015/06/07
非日常口
我々は常に歴史の一部だ。その物語の中で我々が濃密な時間を過ごせるかどうかは、尊敬できる年長者と出逢い、その方を逃さず、その経験や知に触れ、背後にある何かを読めるかが大切だろう。佐藤氏はマストニークの話を家に戻ってからメモにしているのを見ると、本当の方法論はこういう形で提示される方が良い。フスについては他の著書でも書かれているが、フスの物語によって現代のチェコ人がどういう意識を持っているのか改めて確認でき、沖縄が本土のマージナルから今後どういう決断をするのか、私たちが考える上でのヒントが散りばめられている。
2015/04/30
kei
元外交官、佐藤優氏の著書。氏は同志社大学神学部に進学後、研究を続けるために外交官になる。外交官になればチェコ語習得という大義名分でチェコスロバキアに行けると考えた結果は外交官になったものの希望してたチェコ語ではなく ロシア語に回されたものの、研修先のイギリスで自身の神学の勉強に非常にプラスになる様々な人との出会いがあった。 本書はその出会った人々について書かれている。特に本書の前半部分を占める亡命者であるチェコ人の古本店主マストニーク氏とのやり取りはまるで物語かのように運命的なものを感じた。
2020/06/23
ぐうぐう
前作『紳士協定』もおもしろかったが、本作『プラハの憂鬱』もすこぶるおもしろい。前作で描け切れなかった、佐藤優のイギリスでの研修時代が舞台。ロンドンで亡命チェコ人である古書店主と知り合い、刺激的な神学論が繰り広げられる。正直、難解さもあるが、日本では到底体験することのできない知的な討論に佐藤が興奮していることは充分に伝わってくる。古書店主ズデニュクだけではなく、佐藤は出会う人達から、有益なインテリジェンスを得ていく。(つづく)
2015/04/13
りり
内容の複雑さに浸りながらも読了。イギリス社会の排他性を伴う寛容さが多少なりとも理解できたかな。外国人と付き合うということは、緊張感をはらんでいるということ、完全な理解など存在しないということの具体的な例が書かれている。そして人との出会いが一期一会だということも。誰しも過去に留まることは、できないのだから。
2015/10/18
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