愛をさがして
愛をさがして / 感想・レビュー
仮ッ子
癌で余命半年と宣告されたマチユが、親友や恋人達に会いに行く長い一日の話。最初は悲痛な気持ちで読むのだが、だんだん喜劇的に捉えてしまう。死は自分の身の上に降って来ないかぎり、そうそう真剣に考えられないものかも。死までの期限を切られるのは…怖いなぁ。
2010/09/07
さつきんぐ
次女作『悲しみよ こんにちは』から40年後の作品だとは。ブラームスを挟んで3冊目のサガン読破で、個人的にはタイムスリップした心境です。処女作からの今回ラストの言葉は、後書を読みその奥深さに感嘆してしまう。孤独でほろ酔い。そうか、マチネはそこに到達したのか。愛人、友人らに依るでもなく、己に見出した安住。きっと余命は価値ある人生に違いない。
2023/01/16
kazuma
最後の一文がこの物語の全て。
2015/03/12
彩美心
おそらくマチユは美男子という設定なのだろうけれど、女好きでスケベで未練たらしい風采のあがらない男としか想像できずに困った。サガンは何をいいたいのかよくわからないなぁと思いながら読了。学生時代に読んだときにはフランスの香だけで興味深く読めたのだが。年くったなぁ私。
2012/03/02
あきこ
サガンのデビュー作を読み、次にこれを読んだ。書かれた年月はずいぶん経っているけれど、サガンの寂しい気持ち、孤独を抱えたままの年月だったことを感じてしまった。主人公は命の期限を知って、本当に自分を支えてくれるだろう愛を探していく。普通家族でしょう、とか恋人でしょうとかいう場所を持っていないのだ。それは自分の人生を正直に生きていないから、本当の自分を生きていないからだろう。結末は意外なものだったが、サガンの寂しさが心を突いた。
2011/01/19
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