サーカスの息子 下 (John Irving Collection1989-1998)
サーカスの息子 下 (John Irving Collection1989-1998) / 感想・レビュー
かんやん
もしこの長編が単に連続殺人事件のミステリーだったら、退屈なものだったろう。あるいは、生き別れた双子の邂逅の物語だったとしたら。さらにあるいは、恵まれた社会的地位にある医師の社会的善意の物語だったとしたら。物語の厚みを支えるのは、サービス精神旺盛なアーヴィングのミックス力だろう。そして、「暴力は不変だ。いつだって最後に残るのは暴力だ」キャラクターのほとんどすべてが満遍なく暴力に晒される。サーカスのメルヘンに対する悲惨と暴力に満ちた世界、それは主人公が書くシナリオと現実の葛藤でもある。大人のための現代の童話。
2018/07/30
shizaru
読了。上巻を読み始めた時は、もしかしたら途中で投げ出すかも、と思ったけれど、下巻の始めあたりから猛然とおもしろくなった。アーヴィングって多彩で多才。
2010/02/15
カレリン
長いことかかり、ようやく読み終わった。かなり読み応えのある作品でした。どういう形で殺人事件の犯人を捕まえるのかという事に注目していたが、ダルワラの脚本家としての力が役立って良かった。インドは人を選ぶという言葉が印象的でした。
2012/05/01
イッパイアッテナ
最後は大団円。ごちゃごちゃしていた喧騒も落ち着きを見せる。悟ることが諦めとは誰にも言わせない。
2010/12/17
agrippa69
ラストシーンが良い。身体に触れた雪が溶けるように、ファルークの心が融解する。
2010/04/07
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